なぜ北海道や東北では「縦型信号」普及してる? 横型が一般的ではない? 地域差ある信号機事情とは
雪対策の信号機!ほかにはこんな対策も
雪対策として多く活用されている縦型の信号機ですが、それでも多少の雪が積もってしまうことは避けられません。
なかには、上面に「ひさし」をつけることで、灯火の視認性を確保するなど、工夫がされている信号機も見られます。
また、最近では、電球に代わってLEDを活用することで、信号機自体の厚みを薄くし、上面に雪が積もりにくいようにされています。
このようにLEDを活用して、限りなく薄型の設計にされた信号機は「薄型フラット信号機」と呼ばれ、現在、警察庁も設置を推奨している信号機となっています。
薄型信号機の特徴について、信号機の製造を手がけるコイト電工の担当者は、「軽量なことや施工性が向上すること、設置前の保管場所が省スペースで済むこと、ひさしがない設計によって強風などの自然災害にも強いこと」と話します。
一方で、薄型フラット信号機は排熱が少ないため、一度、灯火面に雪が張り付いてしまうと、なかなか溶けにくいという弱点もあります。
大量の降雪や、強風にともなう横殴りの降雪の場合には、灯火面に雪が張り付きやすいため、過去には、一時的に灯火が視認できなくなるというトラブルも確認されています。
こうしたトラブルについては現在、シリコンラバーヒーターといった発熱体を活用するなどの対策が進められているようです。
コイト電工の担当者が述べるような複数のメリットや、警察庁が設置を推奨していることを考慮すると、今後、薄型フラット信号機が増えていくことになりそうです。
すべての歩行者やクルマ、バイクが、安全かつ円滑な交通を進められるよう、日々、日本の道路状況は変化し続けているのです。
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