個人を特定できる!? ナンバープレートで個人情報は分かるのか SNSアップ問題ない?

クルマに必ず装着されているナンバープレートには、さまざまな情報が記載されています。ユーザーがSNSに自身のクルマの写真をアップする際は、ナンバー部分を隠して投稿している様子も見受けられますが、ではナンバープレートで個人情報を調べることは可能なのでしょうか。

ナンバープレートで個人情報分かる?

 SNSなどでユーザーがアップしているクルマの写真には、ナンバープレートが見えないようにスタンプなどで加工しているものがあります。
 
 ナンバープレートにはさまざまな情報が書かれていますが、ここから個人情報を読み取ったり、個人を特定したりすることができるのでしょうか。

ナンバープレートで個人情報は調べられる? (画像はイメージ)
ナンバープレートで個人情報は調べられる? (画像はイメージ)

 ナンバープレートには、「46-49」など4桁の数字が書かれた「一連指定番号」や、「品川」「練馬」などクルマが登録された地域名、自動車の種別ごとの分類番号などが書かれています。

 さまざまな情報が記載されているナンバープレートは、そもそも個人情報に該当するのでしょうか。

 個人情報保護委員会の公式ウェブサイトでは、個人情報保護法における個人情報について、「特定の個人であると分かるもの及び他の情報と紐づけることで容易に特定の個人であると分かるもの」と、説明しています。

 ここでいう「容易に特定の個人と分かるもの」というのは、具体的に氏名や生年月日、住所、顔写真などが挙げられます。

 ほかにも日本自動車整備振興会連合会では、車検証や受注書など特定の個人を識別できる氏名、住所などが記載されているものが該当するとしています。

 このため、ナンバープレートはクルマの特定は可能でも個人を特定することまではできないため、法律上の個人情報とはいえないということになります。

 それではナンバープレートから個人情報を調べることはできるでしょうか。

 登録車の場合、車検証と同じ内容が記載された「登録事項等証明書」は所有者に限らず、誰でも発行することが可能となっています。

 登録事項等証明書は、車検証に記載された所有者の氏名や住所、使用の本拠地といった個人を特定する情報に加え、クルマの大きさや重量などが記載された重要な書類にあたります。

 なお、軽自動車の「検査記録事項等証明書」の場合は登録者とは異なり、請求者は現在の所有者のみです。

 そんな個人情報が記載された登録事項等証明書は、かつてナンバープレートの登録番号のみで発行することが可能となっていました。

 しかし、これによりクルマの窃盗や恐喝などの犯罪に利用されることが多かったことや、個人情報保護の対策について必要性が高まったことから、2007年に法律が改正。所有者情報を取得するためには登録番号に加えて「車台番号」が必要となりました。

 車台番号とは、クルマ1台ごとに割り振られた識別番号のことで、所有者の名義変更や転居で変わることがあるナンバープレートとは異なり、車台番号は製造から廃車まで変わることがありません。

 この車台番号は車検証に記載されているほか、車体に刻印があり、刻印の位置は車種によって異なりますが、多くの場合ボンネットを開けたエンジンルーム内や、運転席のシート下などにあるため、外から容易に確認することはできません。

 さらに不正請求による犯罪防止の観点から、請求する際の具体的な請求理由の記載や、運転免許証など請求者本人を確認できるものの証明の提示も求められるようになりました。

 このように、現在の登録事項等証明書の発行はナンバープレートの登録番号に加え、車体番号の2つの提示が必要のほか、犯罪を防止する措置がいくつも取られているため容易に個人情報を調べられてしまう可能性は低いと考えられます。

※ ※ ※

 一方で、ナンバープレートだけでもある程度の所有車に関する情報を絞られてしまうリスクがあります。

 ナンバープレートには「品川」「練馬」など、ナンバープレートが交付された運輸支局などの地名が書かれており、最近では交付対象エリアが限られたご当地ナンバーの導入が進んでいます。

 例えば東京の世田谷ナンバーは世田谷区のみ、杉並ナンバーは杉並区のみです。

 また、山口県の「下関」ナンバーや北海道の「苫小牧」ナンバーは、それぞれ下関市と苫小牧市という単独の市が交付対象エリアとなっています。

 このように、ご当地ナンバーは交付対象エリアが狭かったり、車両が少なかったりするため、地域の特定が容易になってしまうことも考えられます。

 ほかにも、SNS上にナンバープレートを加工せず写真をアップしてしまうと、ナンバープレートの情報とクルマの車種や特徴、写真に写り込んだ情報などを組み合わせて、特定されてしまうリスクも想定しておかなければなりません。

 ナンバープレートから直接個人情報に辿り着くことはできないとしても、情報の組み合わせによってはリスクがないとはいえないため、SNSなどに写真をアップする際には注意が必要です。

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