三菱ふそうがEVトラックの新型「eキャンター」世界初公開! EVの普及は商用車から進む!? その理由とは

EVが商用車のニーズとマッチしている理由とは

 EVトラックについては、三菱ふそうのほかにも、日野が2022年6月に「デュトロZEV」を発売し、またいすゞは「エルフEV」を2022年中に発売する予定です。

 カーボンニュートラル時代を見据えて、小型トラックでのEV化が加速している状況です。

複数のシャシーラインナップを用意し、特装車も含めたユーザーのさまざまなニーズに応えることが可能となった三菱ふそうのEVトラック 新型「eキャンター」
複数のシャシーラインナップを用意し、特装車も含めたユーザーのさまざまなニーズに応えることが可能となった三菱ふそうのEVトラック 新型「eキャンター」

 そもそも、EVは商用車ニーズにマッチしているといえます。

 なぜならば、使用するルートや充電のタイミングが計画的に行うことで、電池容量を最適化して車両にかかるコストを最小化できるからです。

 とはいえ、電池のコストはまだまだ高いですし、また車両の販売台数が限定的では電動関連機器の量産効果も見込めないため、車両コストは一般的なディーゼル車と比べて数倍という高額になっていました。

 今回の発表で三菱ふそうからは、2代目eキャンターの価格について公表できるタイミングではないとのことでしたが、初代ではリースのみだった形態から、「ユーザーから希望があるため、売切り型も始める」といいます。

 2代目eキャンターの価格はまだそれなりに高いことが予想されますが、それでもトラック事業者からは「自社の事業に対してだけではなく、荷主からカーボンニュートラルを踏まえた輸送車のEV化を求められるようになっている」という状況です。

 トラックユーザーとしては、小型EVトラックの性能や使い勝手が向上していることに加えて、こうした顧客ニーズへの対応からも今後、小型EVトラック導入の動きが高まりそうです。

 一方、海外では大型トラックのEV化の動きが加速しています。

 例えば、ボルボは北米市場向けに「VNRエレクトリック」を2020年から発売し、その後も航続距離の延長など技術改良を続けています。

 また、テスラは2022年8月、大型トラック向けのEVトレーラーヘッド「Semi(セミ)」を2022年中に発売することを明らかにしました。

 アメリカでは、連邦政府が乗用車に加えて、大型トラックを含めた商用車での電動化を促進する政策を進めているため、小型EVトラックに加えて大型商用車でのEV化が進んでいるのです。

 こうした海外での動きが、日本に近い将来、何らかの影響が及ぶのかもしれませんが、日系トラックメーカー各社は日本市場においては当面、EV化を小型トラックに集約することになりそうです。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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