ハイエースに代表される「商用バン」なぜ車種が少ない? トヨタ・日産・ダイハツしか製造しない訳
乗用車を製造する国産メーカーは数多くありますが、商用バンとなるとトヨタ、日産、ダイハツしかありません。ほかのメーカーはOEMとして販売していますが、なぜ商用バンは実質的な車種が少ないのでしょうか。
商用バンを取り巻く現状とは
日本で購入できる乗用車は種類が豊富で、国産車だけでも150車種前後に達します。
ところが商用バンは少なく、小型/普通商用バンでは、OEMを除くとトヨタは「ハイエース」と「プロボックス」だけ、日産は「キャラバン」「NV200バネット」「AD(2022年8月末で注文一時停止)」、ダイハツが「グランマックスカーゴ」という具合です。
他社に供給するOEMも小型/普通商用バンは少数に限られます。
ダイハツはグランマックスカーゴをトヨタに「タウンエースバン」として供給。マツダはトヨタとダイハツが製造する「ボンゴブローニイバン(ベースはハイエース)」「ボンゴバン(同グランマックスカーゴ)」「ファミリアバン(同プロボックス)」をそろえますが、他社は小型/普通商用バンを用意していません。
現時点ではホンダ、三菱、スバル、スズキでは、小型/普通商用バンを購入できないのです。
一方、軽商用バンはラインナップが豊富です。スズキは「エブリイ」と「スペーシアベース」、ダイハツは「ハイゼットカーゴ」「アトレー」を開発・生産しており、OEMも発達しています。
スズキのエブリイは、日産「NV100クリッパー」、マツダ「スクラムバン」、三菱「ミニキャブバン」として、3メーカーに供給されており、乗用車を扱う国産8メーカーのうち、供給元のスズキを含めると、4社が同じクルマを販売しているわけです。
また、ダイハツのハイゼットカーゴも、トヨタ「ピクシスバン」、スバル「サンバーバン」として供給されて3社が扱っており、OEM関係のないホンダは、「N-VAN」を自社で開発・生産しています。
小型/普通商用バンに話を戻すと、OEM車も含めて車種の数は少ないのが現状です。
売れ行きはハイエースが圧倒的に多く、これに続くのがキャラバンです。ただし販売格差は大きく、キャラバンの登録台数は以前と比べると増えたものの、ハイエースの半数以下に留まります。
そしてダイハツグランマックスカーゴ&トヨタタウンエースバンは、インドネシアにあるアストラダイハツモーターが生産しています。輸入車となる影響で、新型コロナウイルスの問題が生じる前から、契約のタイミングによっては納期が大幅に遅延しました。
商用車の場合、企業活動の都合により、短期間で納車することを要求されることも多く、販売店からは「タウンエースは納期が不安定だから販売しにくい」という声も聞かれます。
またプロボックスやADといったワゴン風のボディを備えたバンも売れ行きを下げています。そうなると小型/普通商用バンは、実質的にハイエースとキャラバンの市場になり、ほかの車種が入り込めない状況になっているのです。
スズキでは1980/S56年に小型/普通商用バンのファーゴを製造販売しましたが軽商用バンのエブリイと同様のスタイルが災いしてトヨタのハイエース/レジアスエースやニッサンのキャラバン/ホーミーや三菱のデリカカーゴやマツダのボンゴブローニイと比べて人気はジリ貧でしたので2000/H10年のフルモデルチェンジの際に日産の三代目E24型[1985/S61年-2005/H15年]キャラバン/ホーミーのOEMとして供給され2005/H15年には日産の五代目E25型キャラバン[2005/H15年ー2010/H20年またこの時姉妹車のホーミーは生産終了になりました]へのフルモデルチェンジの際に車名をコモに改めて2022/R4年にはOEM供給元をニッサンキャラバンからトヨタハイエースに改められましたのでスズキに小型/普通商用バンが購入出来ない訳ではありません。スズキではトヨタが製造する[コモ「ベースはハイエース」]を揃えて用意しています。