クルマ選び、今後は「性格」が決め手に? 「自動運転」の鍵、開発本格化
自動車メーカー各社が、「人工知能(AI)」の開発を相次いで本格化させています。将来、「性格」が“クルマ選びのカギ”になるかもしれません。
実用化が待たれる「ライダー」
いま、自動車メーカー各社は「人工知能(AI)」の開発に熱心です。
トヨタは2016年6月、アメリカ・ミシガン州に3カ所目となる人工知能技術の研究、開発拠点を設置。ホンダも、東京・赤坂に知能化技術の研究開発を行う新拠点を2016年9月に設立すると発表しています。
自動車メーカーが人工知能の研究に力を入れるのは、「自動運転」の実現のため。人工知能は、自動運転を実現させるため必要なピースの“最後のひとつ”だからです。
なぜ「人工知能(AI)」が“自動運転の最後のピース”といえるのか、それは、「自動運転」に必要な技術を知れば理解できるでしょう。
まず、自動運転には「ハンドルを自動で動かす」「ブレーキを自動で作動させる」ことが求められます。これらはつまり、クルマを「動かす」技術です。停車中にブレーキ状態を維持するため、パーキングブレーキも電動化が必須。これらの技術はすでに実用化されています。
次に「周囲を監視する」、すなわち「見る」技術も必要です。監視の目となるのは各種のセンサーで、遠い距離は「ミリ波レーダー」、もう少し近い距離は「赤外線レーダー」、そしてクルマのすぐ近くは「超音波ソナー」といったものがあります。また、「物体がクルマなのか人なのか」などを識別するカメラも、なくてはならない存在です。
これらの技術もすでに実用化されていますが、「見る」ための技術にはもうひとつ、実用化が待たれるものがあります。それは「レーザースキャナー」で、メーカーによっては「ライダー」と呼ばれているもの。これはクルマのすぐ近く、しかも周囲360度にわたって存在する物体を、より詳しく識別するための技術です。