トヨタ「カローラクロス」の中古高騰なぜ? 新車300万円が中古500万円に!? 異常事態といえる中古市場とは
中古車のメリットは「安く買える」から「早く手に入る」に
中古車の価格を大きく左右するのは需要と供給のバランスです。
カローラクロスは世界的に人気の高いコンパクトSUVであり、日本でも発売直後から好調な販売を記録しています。
とくにハイブリッド車はクラストップレベルの燃費性能を誇っていることなどから、日本の販売の多くはハイブリッド車が占めています。
一方、世界的に半導体や部品が不足していることで、新車の生産が予定通り進まないことが昨今の自動車業界を悩ませており、世界トップクラスの新車販売台数を誇るトヨタは、そうした影響を最も受けている自動車メーカーのひとつです。
とくに、半導体を多く必要とするハイブリッド車はガソリン車などに比べて納期がさらに長くなる傾向があり、トヨタの場合、ハイブリッド車のほとんどが6か月以上の納期となっているか、そもそもオーダーを停止しているという状況です。
このような状況のなかで、カローラクロスのハイブリッド車をできるだけ早く手に入れるためには、やはり中古車市場に頼るしかありません。
しかし、カローラクロスのような比較的新しいモデルはそもそも中古車自体が少ないため、市場に出るものは文字通り争奪戦となります。その結果、新車価格を大きく超えるプレミア価格となってしまうようです。
ある中古車業界関係者は、昨今の中古車市場について次のように話します。
「これまでの常識では、中古車は基本的にコストを優先するユーザーが選択するものでした。
言葉を選ばずいえば、『新車を買う予算がない』ということが、中古車を選ぶ大きなモチベーションとなっていました。
しかし、最近では、『早く手に入れられること』を理由に、中古車を選ぶユーザーが増えています。
そうしたユーザーは『安く買うこと』を優先しているわけではないため、新車に近い個体は必然的に相場が上がることになります。こうした状況は、新車の供給が回復するまで続くことが予想されます」
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残念ながら、半導体を始めとする部品の不足が解消する目処が立っておらず、当面はこうした状況が続きそうです。
そのため、新車価格を大きく超えるプレミア価格で販売されるモデルがカローラクロス以外にも登場する可能性は大いにありそうです。
これまでの常識から考えれば、まさに「異常事態」といえる昨今の中古車市場ですが、その一方で、社会には「追加料金を支払う代わりに、早く手に入れられる(優先してサービスを受けられる)」というものは少なくありません。
新車の供給が回復するまでは、中古車に対してもそうした考え方を持つようにするのが、もっとも有効な対策なのかもしれません。
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