限定500台で予約殺到! スペシャルマシン「GRMNヤリス」の精神をGRヤリスにも注入できる!? 「GRMNパーツ」に期待大

期待値が非常に高いからこそ望みも高く

 インテリアは、ウルトラスエード調のステアリング/サイドブレーキレバー、そしてシフトノブが設定されています。これはGRMNヤリスと似たデザインですが、実はステッチパターンが異なる専用品になります。

 さらにレカロ製のフルバケットシートも設定。これはGRMNヤリスに装着されているシートと同形状ですが、残念なのはステッチが「赤」のみであることです。

 実はGRヤリスは、先行販売の特別仕様車“First Edition(ファーストエディション)”のエモーショナル内装選択車以外だとシルバーステッチなので、インテリアコーディネイトがチグハグに。

 さらにいうと、オプションでシートヒーターを選択している人は機能が使えなくなるのでご注意ください。

ダートコースでテスト走行中のトヨタ「GRMNヤリス“ラリーパッケージ”」
ダートコースでテスト走行中のトヨタ「GRMNヤリス“ラリーパッケージ”」

 メカニズムの部分では、ビルシュタイン製減衰力調整式ダンパーを採用した「サスペンションキット」がラインアップされました。

 GRヤリスのボディ(GRMNヤリスよりスポット溶接の数は少ない)や使用するタイヤ(ミシュラン製「パイロットスポーツ4S」)の違いを考慮した、専用セットアップになっています。

 ちなみに筆者はGRMNヤリスで一般公道を走っていませんが、開発ドライバーの石浦宏明選手/大嶋和也選手に聞くと「想像しているよりは乗り心地いいですよ」と教えてくれました。

 となると、このサスはどのような乗り味なのか、というのは筆者も非常に気になるところです。なおGRMNヤリスのクロスミッション&ローファイナルギアは、すでに競技用GRパーツとして設定済みです。

 現時点で公表されているアイテムはこんな感じですが、2022年夏ごろにラインアップが発表される予定です。

 ということは、ほかにもまだなにか用意されるということでしょうか。

※ ※ ※

 最後にGRヤリスのいちユーザーとしての要望を少しだけ。

 発売から2年が経過しサードパーティからさまざまなパーツが発売されています。だからこそ、GRMNパーツは「メーカーでなければできない!!」といったアイテムをもっと期待したいところです。

 例えば、パワートレイン制御のアップデートなどによる出力/トルクアップや、GRMNのボディ剛性に近づくボディ補強アイテムの設定。レクサスRC FのようにGPSを用いてサーキットのみリミッターカットが可能なデバイスや、ディスプレイオーディオを活かし、各種車両情報がチェックできるようなアプリ、などなど。

 さらにいうと、単にGRMNヤリスに近づけるだけでなく、GRヤリスの良いところをさらに活かすアイテムも期待したいです。

 ちなみに筆者はGRヤリスを、取材で各地のサーキットなどへ移動する際の「高速エクスプレス」としても活用しているので、走りの性能アップのために、ほかの性能(とくに快適性能)が犠牲になるのは困ります。

 例えば、トランスミッションはクロスミッション&ローファイナルギアを採用するとしても、6速はノーマルモデルと同じギア比にして高速巡行の快適性を両立するのはどうでしょう。

 またRZ“High performance(ハイパフォーマンス)”に標準装備される高音質なJBLオーディオをより活かすため、重量増を最小限に留める遮音パーツ設定も期待したいところ。

 このように、高性能と快適性を両立するアイテムだと嬉しいです。

※ ※ ※

 では、筆者はどうするのか。

 GRMNパーツのフル装着で「GRMNヤリスレプリカ」にするのはちょっと悔しいので、GRMNパーツとサードパーティのパーツを吟味しながら、唯一無二の「山本エディション」に仕上げたいと考えています。

 テーマは、GRヤリスのロードカーとしての快適性や利便性(JBLオーディオやトヨタセーフティセンスなど)を損なわずに、GRMNヤリスの走りの楽しさを上手く付加することです。こちらも機会があればレポートします。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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