クルマの後席「ISO FIX」義務化10年! 子供守る仕組みに変化あり? 求められる正しい使い方とは
クルマの後席に「ISO FIX金具」と「後席中央3点式ベルト」が義務付けされてから2022年7月1日で10年経ちました。子供をクルマに乗せるうえで大切なチャイルドシートに関するルール。この10年で何が変わったのでしょうか。
チャイルドシートに関わる規則変更から10年…どう変わった?
2022年7月1日は、後席への「ISO FIX金具」と「後席中央3点式ベルト」が義務付けされてから10年経ちました。
子供をクルマに乗せるうえで大切なチャイルドシートに関するルール。この10年で何が変わったのでしょうか。
日本では2000年4月1日よりチャイルドシートの着用が法制化されており、道路交通法道路交通法第71条の3第3項では以下のように規定されています。
「自動車の運転者は道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するチャイルドシートを使用せずに、6歳未満の幼児を乗車させて自動車を運転してはならない」
ここでいうところの『道路運送車両法第三章に適合したチャイルドシート』とは保安基準に適合した製品を意味しています。
どのようなチャイルドシートでも良いわけではなく、道交法にて使用が義務付けられているものは保安基準に適合した製品で、なおかつ子どもの身体の大きさに合ったものとなります。
そして保安基準に適合したチャイルドシートとは2012年7月1日以降、国連欧州経済委員会(以下、UN/ECE)が定めるR44を満たしたものが必須条件となりました。
2012年6月30日までは販売できていたR44を満たさないチャイルドシートも翌日からは新規での販売ができなくなったのです。
なお、すでにユーザーが購入しているチャイルドシートに対しての規制はなかったため、使用中の旧基準チャイルドシートを買い替える必要はありませんでした。
ちなみに日本が欧州の基準(ECE基準)を取り入れたのは1998年に「国連の車両等の型式認定相互承認協定(略称)」(58協定)の締約国となった以降で、チャイルドシート以外にも窓ガラス、番号灯、制動装置、二輪車の灯火など現在では100以上の協定規則を採択しています。
これはチャイルドシートが単なる育児用品やカー用品ではなく、国際的に統一された協定規則のもとに製造される「自動車部品」であることを意味しています。
もちろん、突然、R44になったわけではありません。
日本で公布された2006年3月31日から完全適用されるまでは6年以上の移行期間がありました。
なお、チャイルドシートの安全基準が変わるタイミングと同時に、以下の2点についても2012年7月1日以降完全適用となり、一部の2座スポーツカーなどを除く乗車定員10人未満の乗用自動車に対して設置を義務付けています。
1.ISOFIX対応チャイルドシート用取付金具の設置を義務付け
2012年7月1日以降に販売される新車(一部除く乗車定員10人未満の乗用車)においては後部座席の少なくとも1席にISO FIX金具の設置が義務付けられました。
ISO FIX対応チャイルドシートとはクルマのシートに設置された金具にチャイルドシート側の金具をガチャっとはめ込むだけで確実に装着が可能です。
確実にがっちり取り付けるには体重を掛けて押し込むなどワザと力が必要なベルト固定に比べてISO FIXでは誰もが簡単に確実に固定できる利点があります。
2012年7月1日以降に販売された新車には必ず設置されていますが、それ以前の2007年から2008年以降にモデルチェンジを受けた乗用車はISO FIX金具が設置されている可能性が高いと考えられます。
2.後部座席の中央席に3点式シートベルトの設置を義務付け
1994年4月1日以降に販売される新車においては、後部座席の側面席に3点式シートベルトの設置が義務付けられていましたが、2012年7月1日からは中央席にも3点式ベルトの設置が義務化されました。
チャイルドシートの安全基準R44が3点式ベルトでの取り付けを対象としていたことにも関わっています。
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