クルマの後席「ISO FIX」義務化10年! 子供守る仕組みに変化あり? 求められる正しい使い方とは

ECE R44導入から10年 現在のチャイルドシートの安全基準に変化はあった?

 チャイルドシートの安全基準がECE R44/04に統一されてからちょうど10年が経った現在、日本で販売されるチャイルドシートに何か変化はあったのでしょうか。

 簡単にいうと現在もECE R44/04の基準はそのまま継続して製造、販売、使用が認められていますが、新たにR129という基準が追加されました。(R44での新規認可は終了)

 R44とR129を比べるとさまざまな点で改正がおこなわれています。

 R129の認可を受けたチャイルドシートは側面衝突に対応する強度を確保するなどより幅広く事故の衝撃に対応できる構造となっています。

 また、R44が体重を基準に選んでいたのに対して、R129は身長が基準となっています。

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 【R44】
 ・チャイルドシートは子どもの体重を目安に選びます。

(体重10kgまでは後ろ向きで使用する乳児用、9~18kgまでは幼児用、15~36kgまでは学童用など)

 ・2017年2月より、背もたれのない座面だけのブースターシートは身長125cm体重22kgを超えてからの使用が義務付けられるようになりました。

 子どもの体格が125cm・22kgに達するまでは背もたれとヘッドレストが付いたタイプのジュニアシートを使いましょう。

 【R129】

 ・子どもの体格との適合を体重から身長に変更

 ・生後15か月までは後ろ向き使用を義務付け

 ・前向きで使用するのは身長76センチを超えてから

 ・側面衝突試験を追加

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 このような変更がおこなわれています。現在、チャイルドシート最新の安全基準はR129です。

 これからチャイルドシートを購入する場合は、ISO FIXタイプでR129の安全基準を満たしたものを購入されると良いでしょう。

 なお、R129では学童用ジュニアシートの使用身長に関してR44にはなかった重要な変更がおこなわれています。

 R129の認証を受けるジュニアシートは「身長150cmまで使えること」が必須条件になっています。

 そのため、自動車メーカーの純正ジュニアシートは2016年時点ですでに全社、身長150cmまでの使用に対応。

 これには裏付けるデータもあります。現在、衝突実験に使用する成人用人体ダミー「AF05」は身長150cmとなっており、つまりシートベルトの衝突安全性を確認できる最低身長は150cmとなります。

「シートベルトの使用は身長150cmを超えてから」の根拠はここにあります。

 ジュニアシートのなかには身長135~140cmまでしか使用できない古いタイプもまだ販売されていますが、子供の命を守る大切なシートです。

適切な使用方法が求められるチャイルドシート
適切な使用方法が求められるチャイルドシート

 もっともお勧めしたいのはR129基準を満たしたISO FIX固定のジュニアシートですが、1万円以下で購入できて身長150cm前後まで使える背もたれ付のジュニアシート(シートベルト固定)も多数あります。

 チャイルドシートの義務年齢(5歳まで)を過ぎてもシートベルトが安全に使用できる身長150cm位まではジュニアシートを正しく使用し、万が一の事故の衝撃から大切なお子さまを守ってあげてください。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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