マンション住まいで「EV」買える? 充電設備はどこに置く? 設置費用や電気代…クリアすべき課題とは
マンションに充電設備を設置するにはどうしたら良い?
戸建住宅の充電設備はその家庭専用の設備ですが、マンションなどの集合住宅の駐車場は共用施設となっているケースがほとんどです。
そのため、一部のEVオーナーだけがメリットを得ることになる充電設備のために、施設保全の積立金などを使用できるのかという問題が発生。
このあたりの調整の難しさが、充電設備の普及が遅れている大きな理由のひとつとなっているようです。
では、マンションの駐車場にEV用充電設備(普通充電設備)を設置したい場合、個人で設置することは可能なのでしょうか。それとも、オーナーや管理会社、または住民の理事会などで承認を得る必要があるのでしょうか。
「マンションの場合は共用部の電気を使用することになるため、必ず理事会や管理組合の総会で決議をとっていただく必要があります。
了承された場合でも、共用部にEV用充電設備(普通充電設備)を2、3基設置して住民全員でシェアするか、契約区画の数か所に設置するかで新たな決議が必要になります」(ユアスタンド デニス氏)
ちなみに、設置までの初期費用は管理組合が負担するケースが多いそうです。
また、デニス氏いわく、2020年ごろでは問い合わせ自体は多くあっても、「時期尚早」と見送られることが多々あったそうですが、EVの普及が急速に進みつつある現在、実際に設置を検討するマンションの数も増えてきそうです。
利用形態としては、設備導入の初期費用や電力会社に電気代を支払う管理組合が、1時間あたりの料金を設定。
EVまたはPHEVを所有する住民は充電設備の利用予約や利用料金の決済を専用のアプリでおこなうスタイルがメインなりそうです。
気になる利用料金は、3kWの出力の充電器で100円前後/1時間、6kWの出力だと180円前後/1時間が相場といいます。
つまり、管理組合は、充電設備を利用する住民が支払う利用料金から初期投資費用も回収するメドが立ち、運用会社には運用代行手数料が支払われることになります。
このスキームであれば、非利用者には金銭的な負担がかからないことから、全住民からの理解も得られやすそうです。
では、今後EV用充電設備の普及はどのようになっていくのでしょうか。
BEVもさらに車種が充実していくでしょうし、ガソリンスタンドよりEVステーションのほうが数は充実していきそうな気もします。
「海外の『グローバルEVアウトルック』のレポートによると、世界中のEV充電の8割以上が自宅でおこなわれているようです。
日本は人口の約4割が集合住宅(マンションなど)にお住まいという住環境のため、弊社としても今後はマンションを含めた集合住宅への充電設備の設置が大きなマーケットになると考えております」(ユアスタンド デニス氏)
また、基礎充電(自宅や職場)がメインでありつつも、目的地充電や経路充電など、出先でのインフラも今後はさらに充実していきそうと予想しているとのことでした。
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EV用充電設備があるというメリットは、マンションオーナーにとっては資産価値の向上になるという側面もあり、普通充電設備の普及がさらに進みそうです。
ただ、急速充電設備のような高効率な受電ができるようになるには、少なくともあと数年は我慢が必要かもしれません。
それでも自分の住環境にEV用充電設備があるのとないのでは、EVやPHEVの購入判断に大きく影響します。
マンションなど集合住宅に住んでいて、EV購入を検討している人は、EV用充電設備の設置の提案を組合に相談してみてはいかがでしょうか。
高さ制限に引っかかるから無理
横幅制限に引っかかるから無理
パレット上下左右に動くから無理