オイル交換をしないままでいると「どうなる!?」 知っておきたい「エンジンオイル交換」のタイミングとは

オイル交換のタイミングは結局どう判断すればいい!?

 では、エンジンオイルを交換するかどうかの判断は、何を基準にすれば良いのでしょうか。

 エンジンオイルの交換時期は、走行距離と使用期間の両方を考慮する必要があります。

 メーカーや車種によって多少前後しますが、交換時期として、自動車メーカーから指定されているのは、一般的な国産の普通乗用車でガソリン車の場合、およそ1年に1回、または走行距離1万5000キロが目安とされています。

エンジンオイル交換の判断が難しい場合は、最寄りの販売ディーラーやかかりつけの修理工場と相談してみるのも手だ(画像はイメージです)
エンジンオイル交換の判断が難しい場合は、最寄りの販売ディーラーやかかりつけの修理工場と相談してみるのも手だ(画像はイメージです)

 さらに詳しく、エンジンタイプなどの違いによる標準的な交換目安については、以下のようになっています。

・ガソリン車(普通車と軽自動車):1年ごと もしくは走行距離1万5000キロ

・ターボ付きガソリン車(普通車と軽自動車):6ヶ月ごと もしくは走行距離5000キロ

・ディーゼル車 半年から1年ごと もしくは走行距離5000キロから2万キロ

※メーカー/車種によって規定が異なりますので、詳しくは各車種のマニュアルも参照してください。

 エンジンオイルは走行距離が短くとも、空気中で徐々に酸化し、性能が低下していきます。

 メーカー指定の走行距離に達していなくても、一定の期間で交換は必要となります。

 また、シビアコンディション(クルマにとって負荷のかかる厳しい使用状況)と言われる環境下での使用は、標準時における半分の距離と期間で交換することを目安とします。

 日本は都市部を中心に信号や渋滞も多く、ストップ&ゴーの多い環境のため、多くの人がシビアコンディションに当たる場合があるので、注意が必要です。

 シビアコンディションは以下の状態に該当します。

1.凸凹路、砂利道、雪道、未舗装路など悪路走行が多い(全走行距離の30%以上が次の条件に該当する場合)

2.走行距離が年間2万キロ以上

3.山道・登降坂路が多い(登り下りの走行が多く、ブレーキの使用回数が多い機会が全走行距離の30%以上となる場合)

4.短距離走行の繰り返し(1回あたり8キロ以下の走行が全走行距離の30%以上となる場合)

5.高地走行が多い(標高2000メートル以上での走行が全走行距離の30%以上となる場合)

※ ※ ※

 エンジンオイルグレードによる特性の違いも考慮しないといけません。取扱説明書には、メーカー推奨のグレードが明記されています。

 グレードとは「SN 5W-30」などの文字で現れているものを指し、前半のアルファベットは「グレード」、後半の数字は「粘度」となります。

「グレード」はオイルの品質、性能を表す規格で、API規格と言われるガソリンエンジン車用オイルで主流の表記です。

 ディーゼル車用オイルは「DL-1 0W-30」のように表記され、日本では日本自動車規格(JASO規格)での表記が主流となっています。

 数字は「粘度」と呼ばれ、米国の技術者団体(SAE International)が定める規格です。

 エンジンオイルは寒冷時(エンジン始動前)から高温時(高負荷・高速走行時)まで、幅広い温度域に対応する必要があります。

「5w-30」の2つの数字は低温時と高温時の粘度特性を示しており、数字が小さければ柔らかく低燃費性に優れ、大きければ硬く高温時の油膜保持力に優れる特性があります。

※ ※ ※

 オイル交換のタイミングは、乗り方や過給機の有無等の条件によって左右され、何キロまで、または何ヶ月で交換とは決めきれないのが現実です。

 最悪の環境を考慮し、取扱説明書に記載されているグレードのオイルをシビアコンディションでの使用と仮定して交換していけば、間違いはないといえます。

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