クルマは「左に寄らない」とダメ? キープレフトはどんな時も必須? 寄るべき状況とは

キープレフトで自転車や原付きを妨げてしまう?

 そんなキープレフトですが、ときには自転車や原付バイクとトラブルになっている事例もあるようです。

 都心ではよく見られる光景ですが、自転車や原付きバイクが、自動車の通行帯の左側を走行しており、隣を走行しているクルマとの距離が近いことがあります。実際に目にして、「ヒヤッとした」という人も少なくないでしょう。

 では、キープレフトによって自転車や原付バイクの通行を妨げてしまった場合、法令に抵触する可能性はあるのでしょうか。

 首都圏の警察署交通安全課担当者は、このことについて以下のように話します。

「通行帯が片側一車線の道路や通行帯が複数の道路、信号での左折待ちをしている際などは、法令に則ってキープレフトをする必要があるため、結果として自転車や原付バイクの通行を妨げるかたちとなっても、基本的に違反にはあたりません。

 ただ、自転車や原付バイクが左側を走行しているなかで、キープレフトをおこなうのは、接触事故の可能性もあって危険だという実情もあります。

 周囲の状況をしっかりと確認したうえで、急な割り込みなどにならないような配慮をおこない、常識の範囲内でキープレフトをおこなうことが重要です」

交差点左折時の左幅寄せは基本的なルール
交差点左折時の左幅寄せは基本的なルール

 このように、法令に則ってキープレフトをおこなう必要はありますが、実は、前述した18条・20条の双方には「道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この規定の限りではない」ともされており、周囲の状況によって柔軟な対応が求められています。

※ ※ ※

 もちろん、キープレフトを意識しすぎるあまり、自転車や原付バイクと接触した際には、交通事故として、クルマの運転者に大幅な過失割合がつきます。

 また、前出の担当者も「左に寄ることに意識しすぎて停止線を超えてしまったり、信号無視になってしまったりする可能性もあるので、周囲の状況にしっかり注意してほしい」と話し、運転中はキープレフト以外にも注意を払うよう呼びかけています。

 周囲の交通に危険を及ぼさない範囲でのキープレフトを心がけるようにしましょう。

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