なぜ? トヨタの激レアSUV「ヴェンザ」が沼津で売っている? 米版「ハリアー」が今後日本で登録出来ない理由とは
沼津の店舗でヴェンザが販売されている!?
このような理由でかつては並行輸入されていたシエナ(ガソリン車)も、新型となってからはハイブリッド車専用となったため、日本への並行輸入が困難な状況となっています。
実は現行のハイブリッドヴェンザを日本に並行輸入して販売しているお店が沼津にありました。
話を聞いてみたところ、すでに何台か同じハイブリッドのヴェンザは日本で販売されており、今売りに出している個体が最後の1台となっているようです。沼津の自動車販売店LAPに話を聞きました。
――アメリカで販売されるハイブリッド車は電池の認証が取れないので日本への並行輸入が難しいのですよね?
はい。確かに電池の認証を取るのが難しい、ということになるのですが、細かくいうと、電池自体の認証ではなく、過充電を回避するための装置に関する認証が取れないのです。
取れないというより、アメリカで販売されるヴェンザのハイブリッド駆動用電池にも過充電防止装置はついていますが、それを日本国内で説明するものが存在しない、ということです。
――アメリカで販売されるハイブリッド車やEVの並行輸入が難しいのはそれが理由ですか?
そうですね。同じクルマであってもUN/ECEの基準をクリアしており、過充電回避のための装置に関しても認証が取れているものであれば、それほど難しいわけではないと思います。
――ではなぜ、御社は並行輸入車であるハイブリッドのヴェンザの登録が可能だったのでしょうか?
弊社はこれまでヴェンザと同じ過充電回避システムがついた30プリウス、50プリウスの逆輸入車を『指定自動車等の関連事項区分』という方法で登録してきました。
ヴェンザとハリアーで名称が違っていても「同じ方法で認証できるのでは?」と考え膨大な資料を付け合せ当時(審査事務規定改正の猶予期間である2021年4-6月)登録が可能となりました。
――御社で現在販売されているヴェンザが「最後の1台」とはどういうことですか?
すでに何台か現行のハイブリッド専用となったヴェンザを日本に並行輸入して販売をしてきましたが、これが最後の1台になるでしょう。
2021年7月1日から並行輸入車の審査事務規程が一部改正されたことに関係して(並行輸入自動車の事前審査書面等の明確化など)、2021年7月以降は弊社がヴェンザを輸入したときの方法では日本で登録するのはほぼ不可能となっています。現在販売されているヴェンザは審査事務規定が改正される以前に手続きをしています。
※ ※ ※
この先、並行輸入で日本に入ってくることはとても困難であることが予想されるヴェンザを入手する最後のチャンスかもしれません。
ちなみに、ヴェンザとハリアーとの違いは左ハンドル車であることはもちろん、ハリアーにはないルーフレールがついていることも特徴です。
このほかはテールゲートに貼られたグレード名と「HYBRID」のバッジがハリアーとは異なります。フロントの左右フェンダーにも貼られており、これが北米仕様であることを示す特徴となり、ヴェンザがハイブリッド専用モデルであることをアピールしている印象です。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。