「あなた疲れてますよ!」 お尻で「疲労」を計測するトイレが日本最大SA「海老名」に導入! なぜ設置されたのか?
長時間の運転は、気づかぬうちに疲労が蓄積するものです。おおよそ2時間毎の休息を求められることが一般的ですが、最近ではサービスエリアのトイレで自分の疲労度合いが分かるといいます。どのような装置なのでしょうか。
お尻で疲れが分かる時代が到来! 「あなた疲れてますよ!」
クルマの運転はどんなに慣れている人でも長時間にわたり運転をすれば疲れが出てきます。
カーナビなどでも「そろそろ二時間経ちます。休憩しませんか?」とアナウンスされるなど、適度な休憩が求められます。
そうしたなかで、高速道路のサービスエリア(SA)にあるトイレでは、疲れ具合を計測してくれる機能があるといいますが、どのようなものなのでしょうか。
クルマの運転はどんなに慣れていても自然とどこかに緊張感があり、少しづつ疲れが溜まっていきます。
それが自覚症状として出ているのであれば、もちろん休憩をしたほうが良いに決まっていますが、自覚症状が無い場合もあります。
そういうときは次第に疲れが溜まってしまい、うっかりミスや思わぬ事故に繋がる可能性がないともいい切れません。
高速道路のサービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)ではトイレ休憩だけですぐ次に向けて出発。ということもあるかと思いますが、そんなに先を急がずゆっくりするのも重要です。
そんなSAでほとんどの人が立ち寄るのがトイレ。
男性だと小便器で済んでしまう人も多く、あまり気にしていないかもしれませんが、大便器が備わる個室トイレではさまざまなことが進化しているようです。
東名高速道路の海老名SAにある個室トイレには疲労度を計測する便座が設置されています。
日本一の利用者数といわれている海老名SA。そこに設置されているトイレに行き個室ブースに入ると、壁面にトイレ操作用のタブレット端末が設置されています。
そのタッチパネルをよく見ていると、多言語に対応しているのにまず驚きますが、下の方に「疲労度測定」というボタンがあります。
そのボタンを押すこと約30秒で疲労度を計測します、
使い方としてはまず年齢を選択、次に自己申告で自分の年齢や実感している現在の状態を選択すると測定が開始され、便座に組み込まれた振動センサーで脈拍を計測して疲労度を解析。
仕組みとしては疲労状態では交感神経系の緊張が高まり、副交感神経系の活動が低下するとされています。
これを応用して拍変動を計測して自律神経系を解析して疲労度を表示。介護施設などで導入されている技術をトイレに応用したもので、医学的な根拠や見地にともなって診断しているようです。
便座の座り方や脈の振動の振れ幅などにより誤差があるため参考程度に考えておくのが良いかもしれません。
しかし自分の意識では疲れていないと思っていても、実は疲れていた。という状態も考えられ、運転プランの参考にしてみるのも良いかもしれません。
疲労度測定を導入した背景についてNEXCO中日本は「ドライバーが知らず知らずのうちに疲労状態にあることに気づいてもらい、事故を未然に防ぐという目的です」と説明しています。
現在、海老名SAのすべての個室に設置されている訳ではなく、目印としてトビラに疲労度計測のステッカーが貼ってあります。
海老名SA上りでは、男性31室中18室。女性105室中12室。海老名SA下りでは、男性31室中10室に設置されています。
下り線の女性ブースは123室中0室となり、今後の予定に関してNEXCO中日本は「現在設置しているブースでの利用率や測定の精度などの検証をおこないながら今後の設置数を検討している」といいます。
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またNEXCO中日本では、さまざまな人が利用するトイレの改善にも力を入れており、荷物置き場に置き忘れた荷物があることをお知らせするセンサーを設置しているトイレも増えています。
このセンサーは、個室で一定時間動きがなかった場合、万が一意識不明で倒れていることも想定して、個室内の照明と音声で利用者の安否を確認する機能もついています。
また常にピカピカで臭いもないトイレを目指して清掃に力を入れていたり、清潔で使いやすいようにトイレ全体を綺麗で入りたいと思わせるデザインや、混雑を緩和するデザインを取り入れるなどしています。
てっきり臭気計か何かで(大の)臭いがキツイ程に疲れていると判断されるのかと思いました。