250km走破! トヨタ&スバルの最新SUV「bZ4X/ソルテラ」はイケてる? “らしさ”込めた新型EVの実力とは
新型bZ4X/新型ソルテラの「電費」はどれくらい?
運転支援技術は第3世代となる「トヨタセーフティセンス(Ver3.0)」を搭載。ちなみに新型ソルテラでは「スバルセーフティセンス」と呼びます。
ACCやステアリング支援の正確性/制御の滑らかさはスバル「アイサイト」に匹敵するレベルであることに加えて、リスク先読みのサポート機能「PDA(プロアクティブ・ドライビング・アシスト)」、自動駐車を可能にする「アドバンスドパーク」も採用されているので、スバルファンの人も安心して使ってほしいです。
ただ、トヨタ側から見ると、新型「ノア/ヴォクシー」に採用される「車線変更支援」や渋滞支援機能付きの「アドバンスドドライブ」が未採用なのは少々気になる点でしょう。
そして、BEVにとってもっとも気になるのは「航続距離」の話です。
AWD+20インチモデルでは、バッテリー容量が71.4kWh、航続距離(WLTCモード)が新型bZ4X/新型ソルテラ共に487kmとなっています。
今回の公道走行はフル充電ではなく、80%くらいの容量からスタートし、一般道やワインディング、高速道路を含めた約250kmから300kmを走行しました。
そのまま走っても目的地にたどり着けるのですが、「充電の苦労(!?)も味わってほしい」というトヨタとスバルの想いから、途中で急速充電も体験。
1日目は静岡→浜松、浜松→名古屋、2日目は名古屋→郡上八幡、郡上八幡→金沢とさまざまな区間を走ったところ、気になる電費は、交通の流れに沿って走ってどの区間も6.0km/kWh前後といった感じでした(各日250km前後を走行)。
以前、トヨタの前田昌彦CTOに話を聞いた際に、「電費には自信がある」と語っていたのでかなり期待したのですが、結果はいたって普通。
これに関してエンジニアと話をしたら「20インチのタイヤはどちらかといえば操安性を重視しているので、電費を無視はしていませんが、割り切った部分があるのも事実です。電費を重視するなら18インチがベストでしょう」とのことでした。
筆者は試乗車の都合で乗れませんでしたが、18インチと20インチを乗り比べた人に聞いてみたところ、「20インチは6.0km/kWh前後だったけど18インチは8.8km/kWhまで伸びた」とのことでした。
道中で急速充電を何度か試してみましたが、50kWの出力で30分充電すると、航続距離は100kmから120km増えるといったイメージです。
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新型bZ4Xと新型ソルテラは、変更部位だけを見ると大きな違いがないように思われるかもしれませんが、実際にリアルワールドで乗ってみると、クルマとしての違いは想像している以上にありました。
しかし、運転席に座って運転していると、目線に入る部分は同じなのですが(違いはステアリング中央のエンブレムくらい)、乗り味との組み合わせで、新型bZ4Xはトヨタ車、新型ソルテラはスバル車にちゃんと見えるから驚きです。
それはなぜかというと、ポイントはむしろ共通部分にあると考えています。
どちら一方が開発したクルマに“らしさ”を足したのではなく、ゼロから一緒に開発したからこそ、共通部分に両社の想いをバランス良く盛り込めたと思っています。
新型bZ4X/新型ソルテラで異なる部分は、共通部分に隠れた、各社の個性を表に引き出すための調味料のような存在だといえるのかもしれません。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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