250km走破! トヨタ&スバルの最新SUV「bZ4X/ソルテラ」はイケてる? “らしさ”込めた新型EVの実力とは

トヨタとスバルの走りの違いは?

 では、それぞれの走行性能はどうでしょうか。

 今回は新型bZ4X/新型ソルテラ共に、前後に独立したモーターを搭載する電動AWDモデル(80kW+80kWで計160kW仕様)の20インチ仕様(ブリヂストン トランザ・235/50R20)となっています。

 パワートレインは基本的には同じですが、新型bZ4X/新型ソルテラで異なるところはふたつ。

 ひとつはドライブモードの数で、新型bZ4XはECO/Normalの2モードに対して新型ソルテラECO/Normal/POWERの3モードとなっています。

トヨタ新型「bZ4X」
トヨタ新型「bZ4X」

 もうひとつは回生コントロールで、どちらもノーマルとワンペダルで加減速が可能なモード(新型bZ4X:Regeneration Mode/新型ソルテラ:Sペダルドライブ)を用意していますが、新型ソルテラはそれに加えて、回生量を4段階にコントロール可能なパドルシフトを装着。

 Normalはどちらもドライバーがアクセルを踏んだ際に「これくらいは力が欲しい」と思う期待値に対して、少しだけパフォーマンスが上回る“余裕”を持っていますが、2台を比べると新型bZ4Xのほうが力強い印象です。

 個体差かなとも思いましたが、エンジニアに話を聞くと、新型bZ4XのNormalは新型ソルテラのPOWERに相当しており、新型ソルテラのNormalは相対的に穏やかな味付けになっているそうです。

 2台を乗り比べてみると、新型ソルテラのPOWERは新型bZ4XのNormalより力強く感じました。

 そんな疑問をエンジニアに聞いてみると、「それは間違っていないと思います。2台はダンパーの味付けが違います。当然アクセルを踏んだ時のクルマの沈み込みは異なるので、このわずかな挙動の差が力強さの違いに感じられたんだと思います」と教えてくれました。

 パドルシフトはエンジン車では当たり前の装備のひとつですが、BEVではアクセルOFF時の減速度の調整に使われています。

 減速度のレベルは4段階。「2」がデフォルトとなり、「3」→「4」と減速度が高まります。逆に「1」はコースティング相当の制御となっています。

 ドライバーに操作をゆだねるという意味ではスバルらしいアイテムですが、これらは差別化せず、新型bZ4Xに搭載しても良かったのではないでしょうか。

 パワートレインの差を見ていくと、新型bZ4Xは良くいえば“普通”にこだわっている感じですが、悪くいうと少々合理的すぎで面白味に欠けるかなとも感じました。

 フットワークはBEV専用で、新型bZ4Xは「e-TNGA」、新型ソルテラは「e-SGP」といいますが、呼称が異なるだけで同じ物。

 低重心化はもちろん、パワーユニットのコンパクト化による前後オーバーハングの低減による慣性モーメントの低減や軽量設計はもちろん、車体下部は強固/車体上部はしなやかさを備えた剛性バランス優れるボディ構造採用で、優れた基本素性が特徴です。

 これに加えてAWD車は前後独立モーターを制御する電動AWDを採用。ここはトヨタの電動化技術とスバルのAWD技術の融合と共同開発のメリットが一番に活かされています。

 共通しているのは、芯がシッカリしているステア系や、駆動方式の概念を超える一連のコーナリング性能、全高が高いクルマであること忘れるような安定性、見た目よりはスポーティな味付けなどが挙げられますが、正直いってしまうと、2台の走りは似ているようで似ていないと感じました。

 走りの違いはEPS制御とダンパーチューニングの2点。しかし乗り比べると、新型GR86/新型BRZ並みとはいいませんが、変更部位を考えると乗り味の差は想像以上だと実感できます。

 どちらも基本的にはスポーティな味付けですが、新型bZ4Xのほうが操舵フィール/クルマの動きは「穏やか」で、新型ソルテラに対して薄皮を1、2枚入れたかのような心地良いダルさがあり、ボディサイズよりクルマが大きく感じる「おおらかさ」を持っています。

 新型ソルテラよりも薄味なのですが、トヨタ車の走りの特徴である「誰でも気負いなく高性能を体感できる」という観点では、より純度が高く、忠実に仕上がっていると思いました。

 新型bZ4Xの乗り心地は想像以上に足が動いている印象で、実用域ではトヨタ車最良の快適性ですが、高速域になると、クルマが動きすぎて抑えられていないようなところも見えてきます。

 対する新型ソルテラは操舵フィール/クルマの動き共に「機敏」で、新型bZ4Xから薄皮を1、2枚外したようなダイレクトな印象。ボディサイズよりクルマが小さく感じるようなクルマの動きを持っています。

 そういう意味では、水平対向エンジン+直結AWDがなくてもスバルのクルマづくりのブレない軸「安心の愉しさ」はシッカリと再現されており、既存のスバルユーザーが乗り換えても裏切らない走りになっているといえます。

 乗り心地は、新型bZ4Xよりもわずかに引き締まった印象ですが、こちらもスバル車最良の快適性。どちらかというと高速域ではフラット感がありますが、逆に70km/hから80km/h前後で変な共振が生まれてしまい、おさまりの悪さが少々気になるところもありました。

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