250km走破! トヨタ&スバルの最新SUV「bZ4X/ソルテラ」はイケてる? “らしさ”込めた新型EVの実力とは

トヨタとスバルが新型EV「bZ4X/ソルテラ」を共同開発しました。ベースは同じ両車ですが、違うところもあります。さまざまなシチュエーションでロングドライブをおこない、bZ4X/ソルテラの体感しました。

基本は同じ!? 最後に足したそれぞれの味付けがポイントだった!

 トヨタ新型「bZ4X」とスバル新型「ソルテラ」は、トヨタ/スバルの共同開発で生まれた初のグローバルBEVとなります。

 今回はナンバー付きの量産モデルをリアルワールド(一般公道)で試乗。多くの人が気になっている、新型bZ4Xと新型ソルテラの「共通点」と「相違点」は、どのようなところにあるのでしょうか。

トヨタとスバルが一緒に作った新型「bZ4X」と新型「ソルテラ」
トヨタとスバルが一緒に作った新型「bZ4X」と新型「ソルテラ」

 トヨタとスバルのコラボレーションは16年前(2006年)にさかのぼり、スバル米国工場(SIA)でのトヨタ「カムリ」の受託生産(2016年5月まで)が最初でした。

 その後、あまり知られていませんが、トヨタ「ラクティス」とスバル「トレジア」の開発ではスバルのエンジニアがトヨタに出向し、一緒にクルマづくりを実施。

 その流れはトヨタ「86/GR86」とスバル「BRZ」、そして今回の新型bZ4X/新型ソルテラの共同開発へと繋がっています。

 ちなみに新型bZ4X/新型ソルテラの共同開発は、2021年にフルモデルチェンジした新型GR86/新型BRZのときとタッグの組み方が異なります。

 新型GR86/新型BRZは「一緒にいいクルマをつくろう」というテーマで開発は進められ、商品企画とデザインはトヨタ、開発と生産はスバルと業務分担されていました。

 新型bZ4X/新型ソルテラの場合、新組織「ZEVファクトリー」にトヨタ/スバルのエンジニアが半々ずつ集められて、ゼロから対等な立場で業務を担当。

 企画段階からパッケージ、デザイン、エンジニアリング、装備に至るまで両社で議論して開発が進められました。つまり、本当の意味で“ワンチーム”体制の共同開発だったといいます。

 我々メディアは差別化ということばかり気にしてしまいますが、実は共通部分にも各社の思想や想いが強く込められているのです。

 新型ソルテラの開発責任者である小野大輔氏に話を聞くと「リソースや生産の関係などからZEVファクトリーはトヨタ社内に設けられましたが、開発する上でメーカーの違いを意識するような壁はありませんでした。結果として商品になったときに新型bZ4X/新型ソルテラで異なるポイントもありますが、両社が納得する1台をつくり、最後の最後に個々の個性をより引き出す味付けをしたといったほうがいいかもしれません」といいます。

 そんな話を理解して2台を見てみると、ちょっとイメージが変わったように思います。

 その一例はエクステリアデザインでしょう。どちらも「BEVにしては普通すぎる」という意見もあるようですが、「先進的すぎず、でも保守的ではない」というデザインは、普及を目的とするモデルとして見ると納得です。

 ちなみに新型bZ4X/新型ソルテラの違いはフロントマスクとリアコンビランプ、ホイールのカラーコーディネイト、さらにはクラッディング(ソルテラは素材色、bZ4Xの上級仕様は塗装色)の仕様違いくらいで、基本的なフォルムは共通。

 しかし、デザインを重視したいトヨタと、視界性能は譲れないスバルと、両社のこだわりを両立するのは困難だったようです。

 ただ不思議なことに、新型bZ4Xを見ると、トヨタのSUVである「RAV4」のワイルドさと「ハリアー」の洗練さを上手にバランスさせた同社のクロスオーバーの“いいとこ取り”の雰囲気を持っているのです。

 一方の新型ソルテラは、2代目「レヴォーグ」から採用されたスバルの新デザイン言語「BOLDER(ボールダー)」を感じさせるスタイリングとなり、共通部分にもトヨタとスバル各々のデザインへの想いがしっかりと込められているのがわかります。

 インテリアはバイザーレスのメーターや横長のインフォテイメント、センタークラスターとセンターコンソールの一体構造などは、デザイン的にはトヨタ寄りに感じますが、運転席に座ったときの視界の良さ(Aピラーが細い、ワイパーが見えにくい)からくる安心感や機能的なレイアウトなど、見えない部分にスバルらしさを感じるのは興味深いところ。

 ただ、スバル車の課題のひとつであるスイッチ類の多さは踏襲する必要ななかったかなとも思っています。

 ちなみに新型bZ4Xはライトグレー、新型ソルテラはタンと各々の専用インテリアコーディネイトを用意していますが、単なる差別化ではなく、それぞれの“らしさ”を引き上げる大事な要素のひとつなんだと改めて感じました。

 フロントシートに座るとSUVに乗っているというよりも目線の高いセダンといったシートポジションですが、今回初採用となった、ハンドルの上から見通すように設置された「トップマウントメーター」は、人によってはハンドル上部がメーター表示の一部に被って見えにくくなる領域がありようです。欲をいえばこのメーターにも調整代があると嬉しいです。

 ナビゲーションは新世代のクラウドタイプを採用していますが、新型ソルテラとしてみると機能的にはスバル車最良ですが、新型bZ4Xとしてみると、良くなったところだけでなく画面分割の廃止や機能の簡素化など利便性の部分では逆に改悪されたところもあるようです。OTAなので、今後ユーザーに寄り添ったアップデートを期待したいところです。

 リアシートはロングホイールベースを活かし、足元スペースはひとクラス上の余裕があるものの、フロアが若干高めなので着座姿勢はやや体育座り気味。ただ、足の置き場に余裕があるので許容範囲内でしょう。

 ひとつ気になったのは、新型ソルテラのリアシートにはシートヒーターが装着されていますが、新型bZ4Xにはその設定がないことです。ここはわざわざ差別化しなくても良かったと思っています。

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