次の夏休みは大丈夫? 2022年GWの沖縄を襲った深刻な「レンタカー不足」はなぜ起きた?
高級輸入車のレンタカーが目立った2022年GWの沖縄
しかし2020年春、新型コロナウイルス感染症が世界を直撃し、人々の移動は制限されます。
2018年度に1000万人を超え、過去最高となった沖縄県来訪の観光客数(沖縄県発表入域観光客数)は、翌2019年度には海外でのコロナ禍がインバウンド観光客数に影響し、約947万人へ減少します。
さらに2020年度には国内での感染拡大が本格化したことで、約258万人へと7割以上の減少を記録。2021年は増加に転ずるものの、その数は約327万人で、コロナ禍前の3分の1にも届いていません。
こうした観光客数の減少でレンタカー需要も激減し、レンタカー事業者は手元資金の確保と経費の削減を目的に車両を売却、保有台数を減らします。
一般社団法人沖縄県レンタカー協会によると、コロナ禍が拡大する以前の2020年のGWシーズンの協会加盟事業者の保有台数は約2万5000台であったものが、2022年のGWには約1万5000台と、約4割減になっていたとのことです。
一方、新型コロナウイルスは、2021年末より、その主流が重症化しにくいとされる「オミクロン株」に置き換わり、政府の感染症対策はこれまでの「緊急事態宣言」「まん延等防止等重点措置」による“人流の抑制”から、行動制限要請を緩める“withコロナ”へと舵を切ります。そのため沖縄の観光需要も急回復することとなり、このGWにはいわゆる“リベンジ需要”も含め、来訪する観光客数が急増しました。
しかしこの短期間での増車は、折からの半導体不足による新車の納車遅れもあり、限定的なものに止まっていました。こうした結果が「レンタカーが予約できない」という状況を生むことになり、さらに料金の高騰にもつながりました。
全国の観光地がこれまで以上の賑わいを見せるなか、この“レンタカー不足”が沖縄でのみ大きくクローズアップされたのは、こうした観光事情が大きくかかわっていたことが理解できるのではないかと思います。
なおこのGWの沖縄の道路では、「MINIカブリオレ」、ポルシェ「カイエン」、さらにはベントレー「ベンテイガ」など、高級輸入車のレンタカーが数多く見られました。ひょっとして、「法外な料金を払うくらいだったら、ふだんは借りることのできない高級車を…」という利用者の思いがあったのかもしれません。
沖縄程度の広さだったら小型モビリティー専門のレンタカーを始めれば悪徳レンタカー会社を駆逐できるのでは?。小型EVでもバッテリーは持つと思うし、スピード制限すれば野生動物を轢くことも減る。