マジ「萌えキュン」な小型車「S3」登場!? 50万円以下で買えた「宏光MINIEV」がライバル? 「北京ジープ」と違う「かわいいクルマ」とは

北汽製造のS3は宏光MINIEVに勝負挑める?

 今回発表された北汽製造のS3はデザインからして、すでに宏光MINIEVをかなり意識していることがわかります。

 パステルカラーにホワイトを合わせたツートンカラーでポップな印象を持たせており、ヘッドライトもレトロチックに角張ったものとなっています。

 ボディサイズも全長3151mm×全幅1498mm×全高1585mmとなっており、宏光MINIEVの全長2917mm×全幅1493mm×全高1621mmと非常に近い印象を与えます。

 ちなみに搭載されているモーターは浙江方正電機製のTZ160X020という出力20kWのモーターですが、これも宏光MINIEVが搭載しているものと同一になります。

 一方で、内装を見てみると異なる点がいくつかあることに気がつきます。

 まず、宏光MINIEVはメーター部に7インチディスプレイを配置していますが、S3はふたつの10.25インチディスプレイがダッシュボードに置かれており、この点においてはS3のほうが優れているといえるでしょう。

 一方で、前席の間に設置されているセンターコンソールはS3のほうが突出したデザインになっているせいで若干狭い印象を与えるだけでなく、内装のクオリティ自体も宏光MINIEVより出来が悪いように見えます。

売れる理由は「価格の安さ」と「性能の高さ」 激安EVとして知られる五菱「宏光MINI EV」(撮影:加藤ヒロト)
売れる理由は「価格の安さ」と「性能の高さ」 激安EVとして知られる五菱「宏光MINI EV」(撮影:加藤ヒロト)

 宏光MINIEVと真っ向から勝負するつもりでいるS3ですが、宏光MINIEVの最大の武器「経済性」ではどうでしょうか。

 価格はまだ正式に発表されていないものの、現地メディアでは宏光MINIEVと同じ価格帯の3万元(約58万5000円)から5万元(約97万5000円)になると報じられています。

 とくに価格面はもっとも重要視すべき要素のひとつであり、宏光MINIEVが販売当初の2万8800元(約56万2000円)から現在では3万2800元(約63万9000円)にまで値上がりしていることを考慮すると、少なくとも真っ当な勝負はできるのではないでしょうか。

 また、北汽製造はS3に加え、異なるフロントマスクを持つ5ドアモデル「S5」の登場も予告しています。

「宏光 MINIEVのようなコンパクト5ドアが欲しい」と考えていた層にはうってつけの選択肢になるかもしれません。

 中国においてこのような超小型EVはすでにレッドオーシャン市場になりつつあります。

 宏光MINIEVの登場以前から似たようなモデルはいくつか販売されていましたが、この低価格とクオリティを持つものは宏光MINIEVしか存在せず、ここまで人気になった以上は、他社がここから盛り返すのはかなり難しい挑戦といえます。

 とくに宏光MINIEV登場以降、「奇瑞 QQアイスクリーム」や「東風風光MINIEV」など、宏光 MINIEVに似せたモデルが続々と登場しているものの、どれも大元のモデルには敵わない印象です。

 北汽製造が満を持して送り出すS3が他社の二の舞になるのか、はたまた宏光MINIEVを打ち負かす存在になるのかは、すぐにわかることとなるでしょう。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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