輸入車なのに燃費リッター20km超え!? ルノー初のHV 新型「アルカナ」はスタイルだけじゃなく走りも一級品
2022年2月に発表、この5月から販売されるルノーの新型クーペSUVが「ARKANA(アルカナ)」です。独自のフルハイブリッド「E-TECHハイブリッド」を搭載した新型アルカナは、WLTCモードで22.8km/Lと優れた燃費と、走りの楽しさを兼ね備えているといいます。実際に乗ってみました。
ルノー独自のフルハイブリッド「E-TECH」を初採用
新たに登場したコンパクトSUV「アルカナ」は、ルノーが日本市場に送り出す初のハイブリッドカーです。
いまさらハイブリッドカーといわれても目新しさはありませんが、アルカナのハイブリッドシステムはトヨタ「プリウス」に搭載されているタイプとも日産のe-powerとも異なる、まったく新しい種類のものです。
その第一の特徴は、システム全体が軽量かつ小型なのでコンパクトカーにも搭載できるうえ、コストが比較的かからないことにあります。
そう聞くと、最近ヨーロッパ車に増えているマイルドハイブリッドを想像されるかもしれませんが、アルカナに採用されたE-TECHはトヨタのTHSや日産のe-powerと同じフルハイブリッド、つまりエンジンがかかっていなくても電気のチカラだけで走行できるくらい強力なものです。
なぜ、コンパクトなシステムでありながらそれほどパワフルかといえば、駆動用モーターに2速の変速機構を設けている点が理由として挙げられます。
一般的にいって、電気自動車(EV)もe-powerも変速機は1速で、このためモーターには低速域から高速域まで十分なパワーを生み出す性能が求められ、結果的にモーターが大きく重くなる傾向にあります。
しかし、E-TECHの駆動用モーターには2速変速が組み合わされているので、高速域では変速機で減速することでモーターの負荷を減らすことできます。いい換えれば、コンパクトな駆動用モーターでも十分な性能が発揮できるのです。
E-TECHで用いられるエンジンは排気量1.6リッターの直列4気筒自然吸気エンジンで、最高出力は94馬力、最大トルクは148Nmを発揮しますが、ここで生み出されるパフォーマンスを効率的に引き出すために4速ギアが組み合わされています。「え? いまさら4速?」と思われるかもしれませんが、前述のとおり2速の変速機と組み合わされたモーターがエンジンの弱点を補ってくれるので、4速でもまったく問題ありません。
それよりこの4速ギアで特徴的なのは、通常の摩擦を用いたクラッチではなく、レーシングカーでよく使われる「ドグクラッチ」というメカニズムを採用している点にあります。軽量コンパクトで、加減速時のダイレクト感が強いドグクラッチですが、反対に変速時のショックが強いという弱点があります。
これを解消するためにE-TECHで用いられているのが、前述した駆動用モーターとは別のサブモーター(HSG:ハイボルテージスターター&ジェネレーター)です。HSGは本来、エンジンを始動させたり、メインとなる駆動用モーターをサポートするためのデバイスですが、E-TECHでは、変速時にエンジンの回転数を精密に調整することでドグクラッチ特有のシフトショックを打ち消す役割も果たしているのです。これはじつに巧妙なアイデアで、E-TECHの魅力を語るうえで極めて重要なポイントといえます。
小型乗用車HVで普通に30超えじゃないってことは、ルノーHVって技術的に日本より遥かに劣るってことでいいのかな。