「セルフ式ガソリンスタンド」なぜ自分で給油可能? 給油方法だけじゃない、フルサービス式との意外な違い
ほかにもセルフ式とフルサービス式との違いとして、給油に関しての制限の違いがあります。同じガソリンスタンドのように見えて給油量も違うようです。
「セルフ式は、ガソリンは1回の給油で100リットル以内、軽油なら200リットル以内、さらに給油時間は4分以内と消防法で定められています。
一方でフルサービス式は給油時間の制限はなく、給油量もセルフ式の毎分30リットルから35リットルに比べて、毎分45リットルの給油が可能となっています。実際はセルフ式のほうが給油時間が長くかかっているんです」(ガソリンスタンド H店長)
またセルフ式ではガソリン携行缶への給油は基本的にNGとなっています。これは数年前のアニメスタジオ放火事件後に購入する場合は免許証などで本人確認が必要になったことから、非対人のセルフ式では不可ということになりました。
しかし、地域によっては農機具用の発電機などでガソリンを使用するときに、近所にセルフ式しかない場合はどうするのかなどが難しい問題となっています。
また、セルフ式では原則として給油作業は1名でおこないます。これは複数名が作業すると、ノズルのホースに足を引っ掛けたり、静電気が発生して引火したりするため、その恐れを抑制するための措置だとされています。
給油中はほかの乗員は、トイレや飲み物を買うなどの用がない場合、車内で待っていないと給油が始まらない(スタッフが給油ボタンを押さない)という決まりになっているそうです。
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ほかにも、ガソリンスタンドには意外と知られていない仕組みがあるといいます。まずは、ガソリンスタンドの敷地には緩く傾斜が付いているということです。
「ガソリンスタンドは傾斜を付けるように消防法で定められており、床はガソリンや灯油が浸透しにくい素材で舗装し、傾斜を付けた上に給油エリアの周囲に排水溝を設ける必要があります。
これは万が一溢れてしまったガソリンや灯油をすぐに洗い流して火災を防ぐためです。
我々スタッフが給油しても、車種によってはうまくストッパーが作動せず、吹きこぼすことがあります。こぼれた燃料を滞留させないためにも傾斜と排水溝は必要なのです」(ガソリンスタンド H店長)
なお、敷地内は火気厳禁となっており、セルフ式でもフルサービス式でも給油中はエンジンを切るのが鉄則です。ハイブリッド車でEV走行状態だとしても、給油中はパワーユニットのスイッチはOFFにする習慣を身に付けておきましょう。
また、スタッフのユニフォームと帽子も気になる点です。ユニフォームは全員着用しているけれど、帽子はまちまち。必ず帽子をかぶる必要はないのでしょうか。
「就業中に着用しているユニフォームは、『静電気防止機能』を持たせた特殊な素材でできています。帽子も『帯電防止機能』が盛り込まれているのですが、ユニフォームだけでも静電気をかなり抑制できることから、スタッフの任意で判断して良いことになっています。
ただ作業は屋外なので髪型が風などで乱れないように、原則として着用を推奨しています」(ガソリンスタンド H店長)
夏場などは帽子のなかが蒸れることもあるので、義務ではないとH店長はいいます。
ただし乱れた服装は客への印象も悪いため、清潔感と笑顔だけは厳しく指導しているそうです。
セルフ式には「危険物取扱者」の資格がない一般の人でも安全に給油できるように細かいルールが定められていました。
元々セルフで個人が携帯缶に給油はNGです。セルフでも店員に言えばやってくれるところもあります。
なお携帯缶購入者の記名は法令でも省令でも無い消防庁のお願いレベルでなんら法的効力も罰則も無い形骸化し始めてる防犯強化のポーズでしかありません。