「特殊機能」付きの軽トラ「特装車」どうスゴい? かなり多種多様な軽トラックの世界とは
軽トラックのなかに「特装車」と呼ばれるものがあります。普通の軽トラックにはないさまざまな特殊機能を持つクルマですが、いったいどんな特徴があるのか紹介します。
ちっちゃくても多機能! パワフル! 軽トラの「特装車」の世界
街中でよく見かけ、私たちの身近なところで活躍する軽トラック。小回りが効き、荷物の運搬に役立つ上、軽自動車という扱いから維持費が安いといった利点が多いことでも知られています。
そんな軽トラックのなかには、「ダンプ」「リフト」、冷蔵、冷凍機能を備えているといった「特装車」というジャンルがあります。現在、軽トラックの開発・製造をおこなっているメーカー「スズキ」「ダイハツ」の特装車を紹介します。
軽トラックの特装車とは、車体後部の荷室や荷台に変更を加えて、荷物を積むこと以上の付加価値を与えたクルマです。
本来、特装車とは、自動車メーカーが生産した従来のモデルに対して、特定用途のために改造を施した車体をいいます。そのなかで、軽トラックの特装車は荷台部分を変更する場合が大多数を占めています。
軽トラックの開発・製造をおこなっているスズキとダイハツのモデルにはそれぞれ「キャリイ」「ハイゼット」の特装車がラインナップされています。
そして、2社に共通する特装車のジャンルとして、ダンプといった3つの種類があるのです。
まず、最初にダンプを紹介します。
ダンプは荷台の前方が上へ持ち上がり、滑り落とすように荷物を降ろすことができる仕様となっています。
建設現場では大型ダンプが土砂を運ぶ光景をよく見ますが、軽トラックの特装車では土砂の積載が可能な仕様と不可な仕様がそれぞれ存在します。
また、農業・畜産などを想定した仕様や、廃棄物を積載するための仕様など、用途ごとに仕様が細かく別れているので、用途を明確にしたうえで購入するのが良いでしょう。
次に、リフトや「リフター」と呼ばれるジャンルです。
この種類は、重い荷物を荷台の高さまで持ち上げるリフトが装着された軽トラックを指します。
主に電化製品や農機具などの積載を想定しており、スズキ、ダイハツ両メーカーがラインナップする垂直式リフトが搭載された仕様では、最大リフト能力350kgを確保。
ちなみにダイハツは、リフト能力が200kgに抑えられた代わりにスマートな外観を実現した「ハイゼット コンパクトテールリフト」もラインナップしています。
最後は、荷台部分に冷蔵や冷凍機能が内蔵されているジャンル。スズキは「キャリイ 食品シリーズ」、ダイハツは「ハイゼット 保冷・冷凍シリーズ」としてラインナップします。
想定される運搬物は食品や生花などで、荷物に合わせて庫内温度を設定できます。
庫内には水抜き用の穴が開けられているなど、普通の軽商用車とは異なる仕様となっています。
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軽トラックの特装車のメリットは、用途にあわせて欲しい特殊機能をユーザーが安価に手に入れられる点です。
今回紹介した2メーカーのダンプとリフトの価格は約120万円から約160万円前後に設定。冷蔵、冷凍タイプは、一番高い仕様で230万円前後となっています(すべて消費税込)。
「はたらくクルマ」としてなじみ深い存在といえる軽トラックは、さまざまなバリエーション展開で、今日も私たちの生活を支えてくれています。
介護用特装車も紹介してくれれば尚良いのだが。