日本車は今後みんなEVになるの? ガソリン車やFCVではダメなの!? 大事なのは2極論ではなく「競争原理」だ
EVもFCVもガソリン・ハイブリッド車も…現状では一長一短あることをまず認めるべき
一方、EV推進派の論調も酷い。
ビジネス誌の出版社が運営するWebサイト「プレジデントオンライン」で「今すぐEVシフトしなければ日本経済は死ぬ…ウクライナ侵攻で早まった『ガソリン車消滅の衝撃波』~世界に先行する水素燃料電池車は亡国の技術に等しい~」(2022年4月20日掲載)を読んでみた。
その論調は「電気自動車こそ最高」であり、そのアンチテーゼとなる燃料電池車を完全否定している。補完的なエネルギーである水素まで受け付けないとは「狭い」です。

エンジン車については「ガソリン高い」と完全否定。
燃料電池車も「水素ステーションが無くて不便」だという。また水素を作るのにエネルギーを必要とする、みたいなEV否定派と同じようなことを主張するから興味深い。
やはりEV推進派も、視野が著しく狭いと思う。そもそも水素と電気自動車は補完関係にあるからだ。
EV推進派に聞くと、電気は太陽光や風力など再生可能エネルギーで作るという。
御存知の通り、太陽光は夜間や荒天だと電気を作れない。風力も、風が無かったり強すぎたりすれば稼働出来ない。
揚水式水力なら発電量を調整出来るけれど、立地的に増やせず。
どうしたらいいかといえば、使い切れないくらい電気を作り、余ったら電気分解で水素を作って貯めておくこと。水素という状態なら燃やせば火力発電に使えるし、燃料電池を稼働させられる。
驚くことにプレジデントオンラインでは「水素は0気圧。使うにはエネルギーを使って圧縮しなければならない」と否定に畳みを掛ける。
確かに大気中で電気分解したら、常圧の気体だ。けれど密閉空間で電気分解すると発生した水素は圧縮されます。
ホンダはエネルギー使わず圧縮水素を作るステーションの試験運用もした。10年先はさまざまなアイデアが出てくることだろう。
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結論を出す気はないけれど、現状ではそれぞれに長所と弱点がある。否定から入るんじゃなく競争させることが大切だと思う。
前述の通り、EV推進派はガソリン高騰を主張するけれど、ハイブリッドの普及により20年前からすればクルマの燃費は2倍になった。20年前の消費量の半分だ。
ガソリンが200円になったとしても、20数年前の100円と同じ。まだまだ誰でも普通に使えるエネルギーです。
とはいえ、理論上は電気自動車がもっとも効率良く低コストだ。
太陽光の発電コストは1kWhあたり10円程度。この電力でトヨタの最新BEV「bZ4X」なら6km走れる。
ベースになっている「RAV4 ハイブリッド」は6km走るのに60円程度のガソリンを使う。
車両コストが同等になれば、電気自動車のほうが圧倒的にSDGsだと思う。自宅で太陽光発電出来るなら、エネルギーの自給自足も可能です。
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。





























