「日本ってすごくね?」 トヨタ・日産・ホンダがスポーツカー続々投入! まだ日本は「スポーツカー大国」と言えるのか

スポーツカーの存続は自動車メーカーの強い意志

 こうした「野暮」な話は、せっかくにぎわいを見せているスポーツカー市場に水を刺すものかもしれません。

 ただし、筆者としてはこうした各自動車メーカーの取り組みを否定しているわけではなく、むしろ称賛すべきものだと考えています。

 近年、自動車メーカーの経営陣が、個人的なエピソードや感情を交えて、スポーツカーの楽しさや必要性を語る事例が見られます。ただ、世界有数の大企業であり、日本経済の根幹を支える存在でもある自動車メーカーのトップが、本当の意味で「個人的感情」からスポーツカーの開発を指示していたとしたら、それはそれで大問題です。

 実際には、スポーツカーがブランドイメージの向上に貢献する度合いや、各市場のニーズなどが考慮された上で、経済合理性が認められたことから、これらのスポーツカーが登場しています。

 よりざっくばらんにいえば、かつてのように各自動車メーカーが単独でスポーツカーの開発をすることが難しくなった昨今、様々な「裏ワザ」を駆使して、なんとかスポーツカーを提供しているのが実情です。

「GRスープラ」に待望のMT仕様が追加されることが予告された
「GRスープラ」に待望のMT仕様が追加されることが予告された

 たしかに、86とBRZやスープラとZ4がまったく異なる別のスポーツカーであったなら、ユーザーはもっと盛り上がるかもしれません。新型フェアレディZがプラットフォームから刷新されたほうが、より高いパフォーマンスが得られるかもしれません。しかし、実際にはそういった選択肢を採用した時点でこれらのクルマが市場に披露されることはなかったでしょう。

 つまり、各自動車メーカーは自社ブランドのアイデンティティが薄れても、スポーツカーの存続を優先させたわけです。そこには経営陣のリップサービスなどではなく、企業としての強い姿勢を感じることができます。 

※ ※ ※

 このようにして、ふたたび盛り上がりを見せつつある国産スポーツカー市場ですが実際には非常にもろい薄氷の上に立っています。

 今後、世界中で環境規制や騒音規制が厳格化されていくことを考えると、大排気量のガソリンエンジンを搭載し、爆音をとどろかせるスポーツカーは、もはや販売することすらできなくなることは明らかです。

 逆に各自動車メーカーには、そうした時代が来る前にスポーツカーを提供しようという思惑もあるといえそうです。

 そんな状況であっても、なんとか手の届く範囲の価格で、いくつかのスポーツカーを検討できる日本は、やはりスポーツカー大国といってよいのかもしれません。

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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