なぜこんなところに? 公道に「ポツンとEV充電器」 全国初「公道充電器」が横浜に設置された理由とは
95%が公道設置に賛成。残り5%は?
横浜市がおこなった利用者アンケートの中間報告(2021年10月公開)によると、6月8日のオープン以来に平均して月に200回以上の利用があり利用者のほとんどが公道での充電器を高く評価しているとのこと。報告の一部をご紹介します
●利用状況(2021年)
・6 月(6/8-7/7) 228 回
・7 月(7/8-8/7) 229 回
・8 月(8/8-9/7)243 回
設置された6月以降、順調に毎月利用者が増えており200 回超/月の利用状況となっています。
EVの台数そのものが増えたこともありますが、この場所が充電ステーションとして定着しつつあることがわかります。
また、「都市部の充電スポットを増やすために、公道上に充電器を設置する取組について、どう考えますか」というアンケートでは「支持する:94.7%」、「反対する: 5.3%」という結果に。
次に「今後も公道充電器を使用しますか?」という質問に対しては、「積極的に利用したい:64.5%」、「たまに利用したい:26.3%」、「分からない:5.3%」となりました。
公道への充電器設置に「反対する」と答えた人の理由は主に「自販機すら周囲にはなく、飲み物も買えないし、商業施設と違って時間をつぶす場所がない」ということだったそうです。
さらに2021年10月の中間報告以降の利用者へのヒアリングでは以下の回答が集まりました。
「いつもここで充電しているので無くなったら困る」
「雨除けなどがないので、濡れずに座れるベンチなどが欲しい」
「24時間いつでも使えるのがいい」
「ディーラーの充電器は、他メーカーのクルマだと充電しづらいこともあるがここは気にせず使えて便利」
現在のところ、公道に設置された24時間利用できる充電器は日本でここだけですが、横浜市では今後も実証実験を続けていく考えです。
なお、2022年4月14日から交付申請受付が開始された「令和3年度補正クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」のなかの充電インフラ整備事業においては、充電器の設置場所に関して高速道路のSA/PA、道の駅、ガソリンスタンドなどに加えて「公道」の文字があります。
公道とは高速道路や地方道路公社が管理する道路を除く、国道、都道府県道、市町村道のことです。
EVの充電には自宅や職場でおこなう「基礎充電」、商業施設や旅先の宿泊施設などで行う「目的地充電」、そして高速道路のSA/PAなど移動の途中でおこなう「経路充電」の3つに大別されますが、公道のEV充電器はこのうちの「経路充電」に該当します。
EV充電の基本は6時間から8時間を掛けておこなう普通充電器による「基礎充電」ですが、公道で24時間充電できる設備が増えることはEV利用者にとって心強い存在になることでしょう。
横浜市に続いて今後は公道への充電器設置が増えることが期待されています。
【訂正】記事初出時より本文を一部修正致しました。
(2022年4月20日 10:25 くるまのニュース編集部)
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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