お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません! 火の玉タンクZ650RS試乗~その優しさに脱帽!!

火の玉タンクはカワサキの、いやバイク界の“お宝”ですが、それを採用し4月28日に発売する『Z650RS 50th Anniversary』にバイクジャーナリストの青木タカオさんがいち早く試乗しました。歓喜のレポートです!

言わずと知れたZの象徴

 ありがたくて、手を合わせて拝みたくなるではありませんか。初代“Z1”譲りのファイアーボールカラー、通称“火の玉”タンクです。

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カワサキ『Z650RS 50th Anniversary』に筆者(青木タカオ)いち早く試乗
カワサキ『Z650RS 50th Anniversary』に筆者(青木タカオ)いち早く試乗

 大袈裟と笑うなかれ、欲しくても入手困難なバイク界の“お宝”。カワサキ『Z650RS 50th Anniversary』にいち早く乗らせていただきました。狂喜乱舞で心がバクバクしております。

カワサキ900スーパー4が伝説の始まり

 なにがそんなにスゴイか? まず“火の玉”タンクを初採用したのが、1972年に量産バイク初の並列4気筒DOHCエンジンを搭載して登場したカワサキ『カワサキ900スーパー4』通称“Z1”。最高出力82馬力を発揮し、ホンダ『CB750フォア』から世界最速の座を奪取しました。

カワサキ伝説の“火の玉”タンクを採用した『Z650RS 50th Anniversary』
カワサキ伝説の“火の玉”タンクを採用した『Z650RS 50th Anniversary』

 伝説のバイクとして語り継がれ、中古車市場では天井知らずの高騰をし、その人気は高まる一方。2017年に『Z900RS』で“火の玉”タンクを復活させると、こちらもまたデビューするやいなや大ヒットし、小型二輪401cc以上クラスにおける新車販売台数で、発売初年度から4年連続の首位を獲得し続けています。

Z900RSの弟分として登場!

 その兄弟モデルとして4月28日に発売されるのが『Z650RS』。『Z900RS』が“Z1”の再来なら、こちらは“ザッパー”の愛称で親しまれた『Z650』(1976年)の現代版と言っていいでしょう。キャンディエメラルドグリーンの車体色も元祖“ザッパー”を彷彿とさせるものです。

『Z650RS』と『Z900RS』に「Z」シリーズの生誕50周年記念モデルを設定
『Z650RS』と『Z900RS』に「Z」シリーズの生誕50周年記念モデルを設定

 カワサキを代表するブランド「Z」シリーズの生誕、50周年を迎えた2022年。『Z900RS』と『Z650RS』に記念モデルが設定されました。『Z900RS 50th Anniversary』(2月1日発売)と『Z650RS 50th Anniversary』(4月28日発売)です。

 なんとこれがファイアーボールカラーで、発表するとまたしてもすぐに大反響。両モデルとも予約殺到となり、引っ張りだこの人気となっているのでした。

予約殺到のアニバーサリーモデル

 そんな50周年記念モデル、火の玉タンクが目の前にあるのですから、喜びもひとしお。火の玉タンクに頬をスリスリしたくなるのです。

『Z650RS 50th Anniversary』には、タンク上面のZ50周年ロゴ、サイドカバーの専用エンブレムを装備
『Z650RS 50th Anniversary』には、タンク上面のZ50周年ロゴ、サイドカバーの専用エンブレムを装備

 ちなみに『Z650RS 50th Anniversary』は特別な工程で塗られたファイヤーボールカラーであるだけでなく、前後ホイールをゴールド仕上げとし、上質なシボ入りの表皮を用いた専用シートやグラブバー、タンク上面のZ50周年ロゴ、サイドカバーの専用エンブレムを装備します。

コンパクトなライポジ

 シート高は800mmで『Z900RS』と同じですが、ハンドルが引き寄せられライディングポジションがコンパクト。車体重量は以下の通りで、取り回しも『Z900RS』より軽く感じます。

シート高は800mmで『Z900RS』と同じですが、ハンドルが引き寄せられライディングポジションがコンパクト
シート高は800mmで『Z900RS』と同じですが、ハンドルが引き寄せられライディングポジションがコンパクト

■車体重量
Z650RS 188kg
Z650RS 50th Anniversary 190kg
Z900RS 215kg
Z900RS 50th Anniversary 217kg

往年のZにもあったツインエンジン搭載車

 エンジンを始動すると、ショートマフラーからは『Z1』や『Z900RS』とはだいぶ違う音色が。そう、エンジンが決定的に異なり、4発=4気筒ではなく並列2気筒なのです。

4気筒ではなく並列2気筒のサウンドがショートマフラーから奏でられる
4気筒ではなく並列2気筒のサウンドがショートマフラーから奏でられる

■エンジン
Z900RSRS/50th Anniversary
水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ948cc
最高出力82kW(111PS)/8,500rpm
最大トルク98N・m(10.0kgf・m)/6,500rpm

Z650RS/50th Anniversary
水冷4ストローク並列2気筒/DOHC4バルブ649cc
最高出力50kW(68PS)/8,000rpm
最大トルク63Nm(6.4kgf・m)/6,700rpm

扱いやすくフレンドリー!

 走ると、これがなかなかいい。低中速トルクがあって、扱いやすい。パルス感を伴いつつもパンチが効いていて、ゆったりと流すも高回転まで引っ張り上げても楽しく、応答性も申し分がありません。

パルス感を伴いつつもパンチが効いていて、ゆったりと流すも高回転まで引っ張り上げても楽しい
パルス感を伴いつつもパンチが効いていて、ゆったりと流すも高回転まで引っ張り上げても楽しい

 インナーチューブ径41mmの正立フォークとモノショック式のサスペンションはソフトに動き、前後17インチのタイヤに接地感をもたらします。『Z900RS』はやや硬めのセッティングが施されていますが、『Z650RS』は初期荷重からしなやかに動き、トラクション性の良さが際立ちます。

低中速トルクがあって、扱いやすく、ハンドリングは軽快で応答性も申し分なし
低中速トルクがあって、扱いやすく、ハンドリングは軽快で応答性も申し分なし

 ショートホイールベース(1,405mm)で車体もスリム。ハンドリングは軽快で、キビキビ走る。ビッグバイク入門用に最適ですが、ベテランも唸らせるでしょう。さぁ、いよいよ発売。幅広い層のライダーにオススメです!

【画像】カワサキ「Z650 50th Anniversary」の詳細を画像で見る(17枚)

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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