室内の質感も走りの質感もアウディ・クオリティ

　Q2に乗り走り始めると、軽快な動きなので運転が楽しくなります。

　最近はBEVやPHEVなど車重が重くなったクルマも増えていますが、Q2は1.5リッター直列4気筒ターボエンジン搭載のFWDなので、前輪820kg、後輪520kgで車両重量1340kgと軽量なことが大きく貢献しています。

　このように車重が軽いこともあって、最高出力150馬力・最大トルク250Nmを発生する1.5リッターターボエンジンは十分パワフルに感じます。

　ただし、低速時のアクセルワークが雑だと、ちょっとギクシャクした動きになりやすいので、アクセルペダルを戻した状態からの再加速は、エンジンの反応を見ながら踏み込んでいく方がスムーズに走れます。これは2組のクラッチを持つ７速Sトロニックトランスミッション（7速DCT）と、ターボチャージャーのトルクの立ち上がりがやや遅れることが影響している可能性があります。

　それでもこの最新型のエンジンは、負荷がかからない状況では2気筒を休止して4気筒から2気筒になるオンデマンドのシステムが組み込まれているので、燃費はかなり良くなりそうです。WLTCのカタログ燃費は15.8km/Lなので、50リッタータンクで800km近く走れる計算です。

　都市高速のカーブはきついところもありますが、Q2のコーナリング性能は軽快でスポーティで好感が持てます。

　背が高い分だけ重心点も高いのですが、ロールは最小限に抑えられているし、クルマそのものの軽さが遠心力を感じることなく走れます。タイトなカーブでアクセルを踏み込んでいっても、目立ったアンダーステアは出ずにドライバーが狙ったラインを綺麗にトレースしていきます。

　コーナリングで軽快に感じるもうひとつの理由は、ハンドルの操舵力が軽いことが大きな要因でしょう。

　そもそもアウディのハンドルは軽めですが、大きく切り込むときにも抵抗感はないし、コーナリング中の保舵力も軽いので肩の力を抜いてスイスイと運転できます。

　ちなみに試乗車のタイヤは215／55R17 94Vサイズのコンチネンタル製「エココンタクト6」を履いていました。スポーツ系のハイグリップタイヤではないので、操舵力が重くならない点も良かったです。このエココンタクト6はタイヤがあまり出しゃばってこない素直なグリップのタイヤで乗りやすく感じました。

　プレミアムなアウディなので、Q2はコンパクトSUVですがボディ剛性もしっかりしています。また各操作系のレバーやスイッチの動きもしっかりした作りなので、品質感の高さを感じます。

　オーナーになったら、毎日乗り込むときにドアの開閉時に聞こえる「バスッ」という閉まり音によって、いいクルマに乗っているなと感じることでしょう。

Audi Q2 35TFSI advanced
アウディQ2 35TFSIアドバンスド

・車両価格（消費税込）：394万円
・オプション込み試乗車価格（消費税込）：451万円
・全長：4200mm
・全幅：1795mm
・全高：1530mm
・ホイールベース：2595mm
・エンジン形式：直列4気筒ターボ
・排気量：1497cc
・駆動方式：FF
・変速機：7速Sトロニック（EDC）
・エンジン最高出力：150ps／5000−6000rpm
・エンジン最大トルク：250Nm／1500−3500rpm
・車両重量：1340kg
・WLTCモード燃費：15.8km／L
・タイヤサイズ：215／55R17