トヨタ新型「ヴォクシー」は燃費良し? オプション満載で影響ある? 豪華仕様で実燃費を徹底検証!
ミニバンとは思えない!? 正確なハンドリング性能が好印象
ここからセクション別の燃費を振り返ってみます。
●高速道路
走行距離:62.8km
実燃費:23.1km/L
横浜市内を出発し、横浜新道から保土ヶ谷バイパス、東名高速道路を経由して、小田原厚木道路の終点まで走る高速区間。
高速走行では少しの勾配でもエンジンがかかったり止まったりを繰り返すことが多いシーンです。
しかし、新型ヴォクシー ハイブリッドはエンジンがかかったときや切れたときのトルク変動やショックが大きく抑えられており、ヘッドアップディスプレイに表示されたタコメーターを見ていないと気付かないほどスムーズだったのが好印象でした。
高速区間の実燃費は、62.8kmを走行して23.1km/Lと、カタログ値の22.1km/Lを若干上回り、これなら長距離ドライブも快適かつエコに楽しむことができそうです。
●ワインディング路
走行距離:40.8km
実燃費:16.0km/L
ワインディング路は小田原西インターを降りてターンパイク箱根を駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースです。
登り区間では駆動用バッテリーを早々に使い切り、エンジンがほぼ常に回り続けるといった状態になりました。
ただ、確かにエンジン音は聞こえてくるものの、エンジンが回っている振動は上手くカットされており、オーディオなどを聞いている状態であればそこまで不快感を覚えることもないでしょう。
またTNGAに基づいたGA-Cプラットフォームの恩恵は非常に大きく、曲がりくねった箱根の山道を走ってもボディはミシリともせずハンドリングも正確。
これならクルマ好きの子育て世代のユーザーも満足できる仕上がりといえそうです。
先代にあった「GRスポーツ」が復活しても面白いかもしれません。
●一般路
走行距離:49.6k km
実燃費:20.7km/L
ワインディング路の後は、国道134号から国道246号を経由し、横浜市内に戻る一般道のルートとなります。
夕方に近い時間帯ということもあり、やや交通量も多いルートでしたが、燃費は20.7km/Lとそれなりに良好な数値を記録しました。
新型ヴォクシーには、歩行者や自転車、そして前走車やカーブに対する運転操作をサポートし、必要に応じて減速や操舵制御をしてくれるという「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」という運転支援システムが標準装備されているのですが、これの制御が非常に自然で最初は制御が入っていることに気付かないほどでした。
さすがに減速後の操作などはドライバーがおこなう必要がありますが、リスクの先読みをしてくれるこのサポート機能のおかげで防ぐことができる事故もありそうです。
※ ※ ※
今回の新型となったヴォクシーハイブリッドの燃費テストは、1.7トンのミニバンでありながら20km/Lに迫る19.99km/Lという結果に驚かされましたが、何よりシャシ性能の進化と先進運転支援システムの充実ぶり、そしてその実力の高さにも驚かされる結果となりました。
ここまで多機能となるとユーザーが把握するのも一苦労という感じもしますが、多くの支援システムは標準でONになっており、知らないうちに支援システムのお世話になるということになりそうです。
ただ気になるのは車両価格で、ハイブリッド S-Z(2WD)の374万円にオプションを満載した総額はおよそ477万円。
さすがにフルオプションに近い仕様は現実的ではないにしても、魅力的なオプションをいくつか選ぶだけで400万円台に突入してしまうのは悩ましいところではないでしょうか。
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Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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