「邪魔モノにしないで!」 大型トラックが高速道路でゆっくり走行 「なぜ速度出せない?」 実情はいかに

高速道路を走行していると大型トラックがゆっくりと走行していることがあります。ときには複数車線を塞ぐようになっている場合もありますが、トラックの走行ルールはどのようになっているのでしょうか。

高速道路では、トラックは左側が基本!

 例年、ゴールデンウィークといった長期休暇では、高速道路を利用して移動する人が多くなる傾向にあります。
 
 そんななか、大型トラックなどが追越し車線をゆっくり走っていることもありますが、大型トラックの走行ルールはどのようになっているのでしょうか。

物流を支える大型トラック 早く荷物を届けなきゃ…でも速くは走れない訳とは
物流を支える大型トラック 早く荷物を届けなきゃ…でも速くは走れない訳とは

 高速道路は、片側1車線から3車線が一般的で、もっとも右側の車線は「追い越し車線」、その左側の車線については「走行車線」となります。

 なお、追い越し車線については、道路交通法第20条3項において「前方車両を追い越すとき」、「緊急車両等に進路を譲るとき」、「道路状況やそのほかの事情によってやむを得ないとき」の3つのケースで走行可能であると表されています。

 一方で、高速道路の路肩にはトラックが描かれた標識「特定の種類の車両の通行区分」が設置されていることがあり、これは基本的に「この区間ではトラックは1番左側の車線を走行するように」と指示されたものです。

 事実、高速道路を走行している際、左側の車線にトラックが多いと感じたことのある人も多いでしょう。

 現役トラックドライバーU氏は、高速道路でのトラック走行について「大型トラックは、高速道路では制限速度が80km/hと定められていて、スピードリミッターが搭載されているので、速度が出せても上限は90km/hほどとなります(総重量8t超の場合)」と話します。

 高速道路における乗用車の上限速度は、東名高速道路や東北自動車道の一部区間では120km/hとされており、100km/hほどであることも珍しくありません。

 そうしたなかで、トラックは80km/hまでとされているため、必然的にゆるやかな速度域である左側を走行することになるのです。

 また「デジタルタコグラフ」の搭載も、左側をゆっくりと走行する理由のひとつになっているといいます。

 デジタルタコグラフとは、主に速度や走行時間、走行距離を計測するもので、最新のものになると急加速や急減速なども記録しています。

 これにより、トラックドライバーはその運転方法を常に記録されている状態となり、常に一定の走行を意識することになるのだそうです。

  U氏は、一定の走行が求められる理由について、以下のように説明します。 

「『お客さまの荷物を安全に運ぶことができるから』というのが1番の理由です。

 加えて、ガソリン代の高騰が著しい現状もあって、できるだけ燃費を稼ぎたいというのも本音です。

 速度を一定に保つことで、燃費よく走ることができるので、急加速や急減速を控える運転をしています」

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