GSで油種入れ間違いはなぜ起こる?「軽自動車に軽油」は絶対ダメ! 誤給油時に真っ先にすべきことは?

油種入れ間違いでエンジンが壊れる!

 ガソリンスタンドの給油機には3つの油種があり、そのなかで自分のクルマに合うものを給油するわけですが、万が一入れ間違えてしまうとどうなるのでしょうか。

 都内の整備工場に勤務するF整備士に詳しく聞いてみました。

軽油は緑色のノズルから給油する
軽油は緑色のノズルから給油する

「ガソリンと軽油は性質が大きく異なり、ガソリンは揮発性が高く、軽油は潤滑性が高いという大きな違いがあります。

 仮にガソリン車に軽油を入れてしまうと、タンク内でガソリンと混合した軽油が燃焼室に送られますが、揮発性が高くないので不完全燃焼が起きます。ここで煤(スス)などが発生し、黒い排ガスが放出されます。

 そして点火プラグが汚れ、最終的には燃料が上手に燃焼されずにエンジンが止まってしまいます」

 油種は違っても同じクルマの燃料だけに誤魔化しながら走行できればと思うかもしれませんが、ガソリンと軽油の入れ間違いは完全にNGです。

 軽自動車に軽油を給油してしまうというケースですが、ディーゼルエンジンは重量が重く、専用の排気ガスの浄化システムや専用のエンジンオイルが必要になるなど、クルマの装備が割高になります。

 そのため経済性を特徴とする軽自動車にディーゼルエンジンが搭載されることはなく、現在の軽自動車はすべてガソリンエンジン搭載車です。

 ガソリンの高騰が深刻な昨今、軽油のほうが安いからという理由で軽自動車に給油してしまうケースもあるようですが、「軽に軽油」は絶対に給油してはいけないということを覚えておきたいところです。

「ガソリン車に軽油を誤って給油してしまう以上に深刻なのが、ディーゼルエンジン車にガソリンを入れ間違ってしまうことです。

 潤滑性が低いガソリンが潤滑油の役目を果たせないため、燃料ポンプやインジェクターが摩耗や焼き付きを起こします。

 こちらもエンジンが動かなくなりますが、より大掛かりなオーバーホールが必要になってしまいます」(F整備士)

 そして、給油中に油種の入れ間違いに気がつかなくても、走り出せばすぐに独特の症状が出るとF整備士はいいます。

 走り出して間もなく白い排気ガス、または黒い排気ガスが大量に発生し、エンジン音が高まると同時にアイドリングも不安定になり、アクセルを踏んでもみるみるパワーダウンするそうです。

 入れ間違いに気づいた時点でできる限り速やかに安全な場所に停車してエンジンをストップさせることが、被害を最小限にとどめる最良の策です。

 それでは、給油中に間違いに気づいた場合はどうすればいいでしょうか。

「すぐに給油を取りやめ、ガソリンスタンドの店員に相談してください。

 その後はできるだけエンジンを動かさずJAFなどのロードサービスを呼んで、ディーラーやショップ、整備工場で然るべき処置をしてもらうのが良いでしょう」(F整備士)

 入れ間違っただけではまだ故障まで至っていないので、エンジン始動前に正しい燃料に入れ替えれば大きな問題にはならずに済みます、とF整備士はいいます。

 しかし逆にいえば、エンジンを動かしてしまうと壊れる可能性が非常に高くなるということでもあります。

「油種を入れ間違えてしまった場合、まずは間違った燃料を取り出し、エンジン内に残った分をフラッシングオイルなどで洗浄する必要があります。

 すでにエンジン内に混入している恐れもありますので、エンジンオイルなど油脂類はすべて交換したほうが安全です」(F整備士)

 給油で入れ間違ってしまったために、燃料だけでなくオイル類まで交換しなくてはいけないのは大きな出費です。

 さらにエンジンブローしてしまうとさらに大がかりな修理が必要になり、費用だけでも数十万円がかかります。

 油脂類の交換費用は全部でも数万円程度ですので、入れ間違いに早く気づけるかどうかが大きな分かれ目になりそうです。

※ ※ ※

 この油種間違いで唯一問題ないのが、レギュラーガソリンとハイオクガソリンの入れ間違えです。

 これは同じガソリンでもオクタン値が違ったり含まれる洗浄成分の違いだけで、大まかにいえば同じ燃料です。

 もちろん性能がフルに発揮できない可能性はありますが、搭載されるノッキングセンサーなどでエンジンを保護してくれるので、走行自体に問題はないでしょう。

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7件のコメント

  1. こういう記事の一番ムカつくことが、正解を最初に書かない事

  2. 車校の学科教習で車の構造を学んでるはずだよね?
    その中でガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特徴と適合燃料も教わっとるはずだが、それすら忘れたか?

    • しかし車をみて実際に車種からガソリンの種類を見分ける事など不可能(現在は同じ車種でもレギュラー、軽油、ハイオクで走れる車がある)
      だし、なにが正解なのかもしってるのは自分だけ、入れ間違いをしたのは自分なのだからこの場合は急いで工場に相談するしかない

  3. セルフサービスのスタンドでは危険物取扱者が給油許可ボタンを押しているので間違えることはありえない。もし間違えて車が壊れたらスタンドの責任。セルフのスタンドの店員は店員では無くて監視員なのです。セルフのガソリンスタンドは監視員が給油許可ボタンを押しているんだよ。ドライバーが自分で入れている訳ではないのです。

    • 空気圧や自分の車の燃料間違い、車に乗る資格無し。

  4. 車を買うとき説明をうけるだろうしディーゼルは特に燃料キャップに書いてあるし説明書にも書いてあるはず。
    と言うか自分の車の事でそんなことも知らないってどうなんだろうねぇ…。ペットで言えば犬猫間違えて餌を買うレベル。

  5. タンクのキャップを同じ色にすればいいんじゃないかな。ハイオクは緑、レビュラーは赤、軽油は黄。車検までオイル交換しない。タイヤの繊維が見えててもタイヤ交換しないようなお馬鹿さんが居るくらいですから、この程度はメーカーの企業努力で何とかすれば良い。

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