「キッチンカー」なぜ需要が増加? 仕込みから調理まで車内でOK 新型コロナ禍で拡大するフードデリバリーの拠点にも
車内で仕込みから調理まですべての調理工程をおこなえる「キッチンカー」が登場し、好調な販売を見せているといいます。一体なぜこのようなキッチンカーの需要が伸びているのでしょうか。
これまではキッチンカーでの仕込み行為はNGだった!?
新型コロナ禍で弁当などのデリバリーやテイクアウト需要が増加するなか、車内で調理して提供する移動販売車「キッチンカー」のニーズも増えているようです。
キッチンカーの製作販売大手である株式会社フードトラックカンパニーは、車内ですべての調理工程をおこなえるキッチンカー「キッチンボックス1000」「キッチンボックス453」を販売しており、累計台数が214台を突破したと発表しました。
2021年6月1日に施行された食品衛生法では、新基準の設備要件を満たすことで、これまで保健所から許可されなかった「キッチンカー車内での仕込み行為」が認められることになりました。
仕込み行為とは、「食材を切る」「混ぜる」「下味を付ける」など調理工程の下ごしらえ全般のことを指します。法改正以前は複雑な調理工程のメニューを提供するためには、キッチンカーとは別に営業許可を受けた調理施設の確保が必要でした。
法改正に合わせて、フードトラックカンパニーは車内で仕込み行為ができるキッチンカーとして、トヨタ「タウンエース」をベースとしたキッチンボックス1000と、スズキ「キャリイ」をベースとしたキッチンボックス453を開発。
これまでに、キッチンボックス1000は114台、キッチンボックス453は100台の合計214台の販売を達成しました(2022年3月31日時点)。
キッチンカーの設備要件としは、200リットルずつ、合計400リットル分の大きな給排水タンクが必要になります。
キッチンカーの限られた空間内に、自社開発した適切な形状のタンクを適切な場所に配置することで、オペレーション空間を広く残しつつ設備要件を実現。給排水タンクは取り外すことができ、清掃も簡単におこなうことが可能です。
仕込み行為を含む、すべての調理工程がキッチンカー単独でできるようになったことで、市場拡大中のフードデリバリー各社のデリバリー拠点としても登録でき、ゴーストレストランとして活躍するキッチンカーも増えています。
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フードトラックカンパニーでは、キッチンカー専門の行政書士事務所を併設し、全国の保健所への営業許可の申請サポートをおこなっていますが、全車とも仕込み行為ができる条件の厳しい設備基準をクリアし、問題なく営業許可書が発行されているといいます。
保健所による営業許可を踏まえて、仕込み用の調理施設を確保する必要がなくなり、初期費用や維持費が大幅に削減されたことがキッチンボックス1000とキッチンボックス453が選ばれている大きな理由のひとつとなっているようです。
車両価格(税抜)は、キッチンボックス1000が339万円、キッチンボックス453が259万円です。
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