スバル「フォレスター」の雪道性能を豪雪の山形で試す! ロングドライブで感じたスバルAWDのスゴさとは
スバルのSUV「フォレスター」の雪上性能を試すべく、豪雪地帯として知られる山形県の月山へロングドライブに出かけました。フォレスターの雪道走破性や高速道路でのアイサイトの制御、寒冷地における装備などを1000km超の行程で体感してみました。
最新のフォレスターで「スバルAWDの聖地」を訪ねる
スバル車といえば「雪」というイメージがあるでしょう。雪道で走ってこそ理解できることも多いはず、というわけで「フォレスター」で雪道も含めた1000kmを超えるロングドライブに出かけてみました。
今回相棒にしたフォレスターのグレードは上級の「アドバンス」。パワートレインは145psの2リッター水平対向自然吸気エンジンに13.6psのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドです。
「e-BOXER」と呼ばれるスバルのシステムは、モーターをトルク増幅に使うだけでなく、マイルドハイブリッドながら駐車場内程度の極低速域ではエンジンを止めてモーターで走行できるのも特徴です。
目指すは山形県の月山。その麓となる山形県西川町志津地区は1974年2月に積雪790cmを記録し、2021~22年シーズンも2月下旬には積雪5mをオーバーという豪雪地帯です。
そして何を隠そう月山周辺は、スバルが1972年に東北電力の求めに応じて発売した「世界初のジープタイプではない4WD」などを開発する際に、雪上テストをおこなった場所。つまり、今回のツーリングはスバル4WD(AWD)の聖地を訪ねる旅といっていいでしょう。
フォレスターは2021年8月の改良で先進安全運転支援システムの「アイサイト」が新世代タイプへとアップデートされました。それを実感したのが往復で850kmを超えた高速道路巡行です。
都内から出発し、東北道や山形道といった高速道路ではほぼすべての区間でACCを使って走行しましたが、カメラや処理システムが進化したおかげで車速のコントロールが一段とスムーズになっているのを実感しました。
たとえば前方へクルマが車線変更してきた際など、従来のアイサイトでも他社のシステムをリードするスムーズな対処をしてくれましたが、新世代になりそのスムーズさがさらに向上。
まるで上手なドライバーが運転しているのかと錯覚するほど、ドライバーにも同乗者にギクシャク感を与えない制御は見事でした。
その結果としてACCへの依存度がより高まり、結果的に長距離移動の疲労を軽減してくれます。
またe-BOXER車には「ECO-C(ECOクルーズコントロール)」という機能が組み込まれていて、ACC作動中はハンドルのスイッチでそのモードを呼び出すことができます。
ACCとハイブリッドの制御が協調することで、モーターアシストと回生ブレーキを最大限に活用。より燃費に配慮した追従走を実現するので、オーナーは活用することをお勧めします。
このモードに入れると加速が穏やかになるといったことが気になるところかもしれませんが、特段そういったものは感じませんでした。
雪国の人は、この写真を「積雪も無く、良い天気の日」と判断するでしょうね。
↑同意。
路面に砂糖みたいになった積雪が10~15cm/新雪で20cmあって初めて走行性能(トラクションコントロール)が試されます。
また、写真のような雪道では大抵の車(ドライバー)がハンドルを取られず走行できて当たり前です。
雪上での走破性については停まったらスタック必至の路面状態でも走行できるかが最重要です。
MT/4WDではクラッチワークで強引に突破出来る道路をAT/4WDが突破できるとしたら相当、車が優秀と言えます。この場合、最低地上高が高い車ほど有利ですが、SUVやジムニーなどはほんの僅かですからね。年末(2021年12月末)の大雪では除雪が追いつかず市街地でも相当数の乗用車、バス、トラックがスタックしています。
圧雪、凍結、アイスバーンなどは車の性能よりもスタッドレスタイヤの性能が重要視されます。新雪だけならブロックパターンの大きいオールシーズンタイヤでも行けるでしょう。
ちなみにグレーダーで圧雪路面を削った圧雪路面(カンナで削ったような状態)では、スパイクタイヤじゃないと摩擦係数ほぼゼロになります。昔はよくコントロール不能になったものですが、最近は非常に危険な状態ということで路面までガリガリ削って除雪していますので、滅多に遭遇しませんが。