間もなくF1 2022年シーズン開幕! 日本人ドライバー角田裕毅選手が語る、マシンの進化のポイントは?

タイヤの違いでどのような影響がある?

 もうひとつ、マシンの見た目で昨シーズンと大きく違う点があります。それは、タイヤが13インチから18インチに変わったことです。

 レギュレーションにより、ホイールは全チームが日本の富山県で製造されているBBS製を採用しています。

角田裕毅選手(2021年シーズン スクリア・アルファタウリ)(画像:ホンダ)
角田裕毅選手(2021年シーズン スクリア・アルファタウリ)(画像:ホンダ)

 角田選手はタイヤについて「(マシン全体での)挙動変化は(どちらかというと空力より)タイヤの変化のほうがクルマ全体のバランスや挙動に影響を与えていると感じる」と表現します。

 具体的には「(昨シーズンは)高速コーナーで、後輪が滑るとコントロールしにくかったが、(今シーズンはそうした状況でもマシンを)コントロールしやすく、また(路面への)トラクションも(昨年に比べて)ある」と規定変更に対するポジティブな面を強調しました。

 一方で「(もしかすると)ピットストップが遅くなるなど、メカニックへの影響が出たり、またブレーキのパフォーマンスなどでネガティブに出るかもしれない。だが、(そうした点では)いまのところ(昨シーズンと)感触はあまり変わらない」ともいっています。

 また、少々やっかいな問題は「バウンシングだ」という話をしてくれました。

 具体的には「チームによってバウンシングの仕方は違う。速度が高くなると、クルマが跳ねてくる。クルマ全体が縦に揺れる。(例えばストレートエンドでの)1コーナーで高いスピードからのブレーキで影響が出る。視界が悪くなるくらい揺れるので、狙っているコーナーが見えづらくなるほどだ。いままで感じたことのない現象なので、レースで集中できない(ことも考えられる)」というほどドライバーにとって大きな問題だといいます。

 そのうえで、バーレーンでのファイナルテストでは、「チームメイトのガスリー選手と共に、マシンに対するフィードバックをチームに的確に伝え、多くのデータを取って開幕戦に備えたい」といいます。

 シーズンオフは、トレーニングに明け暮れたという角田選手。昨シーズンのレース中に気になっていた首の筋肉の強化はもとより、「アスリートとして(全身での)フィジカル強化につとめた」ということです。

 今シーズンに向けては「自分のやるべきことをやる。ターゲットはクリアだ。(レースに対する自分の)リズム大事にして、1戦ずつ(気持ちを)リセットしていく。(目標は)
まずポイントできるだけ多くとること。そして、自分らしく走りたい」と、昨シーズン開幕直前のインタビューに比べると、かなり現実的な視点でF1を冷静に見えてきているという印象があります。

 なお、ホンダについては、レッドブルグループからの要請のもとに、ホンダのパワーユニット技術を用いたレッドブル・パワートレインズをレッドブルレーシングと、角田選手が所属するスク―デリア・アルファタウリの2チームに供給し、それをHRC(ホンダレーシング)が支援するという形式をとります。

 F1 2022シーズンは、開幕戦として2022年3月20日にバーレーンGPの決勝がおこなわれます。また、3年ぶりの開催となる日本GPは同年10月9日決勝の予定です。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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