間もなくF1 2022年シーズン開幕! 日本人ドライバー角田裕毅選手が語る、マシンの進化のポイントは?

日本人F1ドライバーである角田裕毅選手が、F1 2022年シーズンへの意気込みを語りました。今シーズン実施されるマシンの規定変更により、どのような影響が考えられるのでしょうか。

F1 2022年シーズン マシンの規定はどう変更される?

 F1 2021シーズン最終戦のアブダビGP決勝。マックス・フェスティバル選手(レッドブル・ホンダ)がリスタート明けのファイナルラップでルイス・ハミルトン選手(メルセデス)をオーバーテイクし、自身初となるF1チャンピオンに輝きました。

 ホンダにとっては、アイルトン・セナ選手(マクラーレン・ホンダ)以来となる30年ぶりの悲願達成です。

 いまでもまだ、あの劇的なファイナルラップが記憶に新しいと感じる人も少なくないでしょう。

2021年シーズンに角田裕毅選手が操ったスクーデリア・アルファタウリのマシン(画像:ホンダ)
2021年シーズンに角田裕毅選手が操ったスクーデリア・アルファタウリのマシン(画像:ホンダ)

 ホンダは2021シーズンをもってF1からの完全撤退を決定しており、まさに有終の美を飾ったといえます。

 また、同じくアブダビGPでは、久々の日本人F1レギュラードライバーとなった角田裕毅選手が、F1自己最高の4位入賞を果たしています。

 シーズン序盤から中盤は自らのミスによるクラッシュに悩まされるなど苦悩のルーキーシーズンでしたが、シーズン後半になりやっと自分のレーススタイルを確立し、最終戦で見事なレース運びを披露してくれました。

 あの興奮から約3か月が経ち、F1は2022年開幕に向けて、チームやコンストラクター、そしてドライバーが最終準備に入っています。

 スペインのバルセロナでのテストを終えた段階で、角田選手がメディア向けオンライン会議でF1の新レギュレーションについての実感を教えてくれました。

 F1 2022シーズンマシンでの大きな話題は、空力に関する規定変更があります。ひとことでいえば、「グランドエフェクトカー」の復活です。

 グランドエフェクトとは車体の床面に空気の流れをつくるトンネル形状とすることで、速度が上がるにつれて車体全体が路面に吸いつくような空力効果を生みます。

 1990年代には主流の設計スタイルでしたが、近年の車両規定では車体の床はフラット形状のフラットボトムとされてきました。

 では、なぜ今シーズンからグランドエフェクトカーが復活するのでしょうか。

 背景にあるのは、レース中のオーバーテイクの難しさへの対策です。

 近年のF1ではフラットボトムのために、ダウンフォースに対するフロントやリアウイングの効果が大きくなっていました。

 それにより、マシン後部に起こるタービュランス(乱気流)が後続車に強い影響を与えてしまい、オーバーテイクしづらいシーンが増えてしったのです。

 新規定のグランドエフェクトカーでは、前後ウイングの空力効果が相対的に弱まり、マシン後部でのタービュランスの流れがこれまでとは大きく変わり、結果的に後続車に与える空力的な影響が少なくなったといわれています。

 では、実際のところどうなのでしょうか? 本当に2022シーズンマシンはオーバーテイクしやすくなっているのでしょうか?

 この点について角田選手は「バルセロナのテストでは、昨シーズンと比べて、(前のマシンの)うしろにつきやすくなった」と証言しています。

 そのうえで「昨シーズンは全チームが(シャシを)2~3年かけて開発していた(ため技術が熟成されていた)ので、チーム(のパフォーマンス)の差が小さかったが、今シーズンは(マシンの)差が出やすい」という実感を持っているといいます。

【画像】ファイナルラップの激走でフェルスタッペン選手が優勝! ホンダが有終の美を飾ったF1 2021シーズン最終戦

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