「過走行車」な中古車はお得で魅力的!? 買っても大丈夫? 走りすぎた車を購入するときの注意点とは

走行距離が多い中古車はいわゆる「過走行車」とみなされ、価格も安く設定されますが、購入しても大丈夫なのでしょうか。過走行車のメリットやデメリット、購入するときに注意する点など、中古車販売店に聞いてみました。

年間1万km以上走行したクルマは「過走行車」になる?

 最近は新型コロナウイルス感染拡大とそれに起因する半導体不足により新車の納期が遅れていることから、すぐに購入できる中古車の需要が高まっています。

 中古車を購入したい人はもちろん、今すぐというわけではないけど購入を検討している人のなかには、中古車サイトをチェックしている人も多いのではないでしょうか。

 中古車サイトに掲載されている車両のなかには、相場よりかなりお買い得なものを見かけることがあり、年式を考えると走行距離が多い「過走行車」というものが存在しています。

 価格が安い中古車は魅力的ですが、たくさん距離を走っている過走行車を購入しても問題ないのでしょうか。

30万キロ走った「過走行車」
30万キロ走った「過走行車」

 まずは「過走行」とはどれくらいの距離を指すのかということですが、一般的には「10年10万km」が目安とされています。

 つまり、1年で1万kmということになりますが、毎日の通勤でクルマを使う人や日頃から高速を多く利用する人はそれ以上に走行することもあり、「5年10万km」が正しいのではないかという声もあります。

 中古車市場で走行距離の捉え方について、都内で中古車販売店を営むK店長は次のようにいいます。

「確かに中古車市場では『5万kmの壁』のようなものが暗黙のルールになっています。

 国産車はともかく、輸入車の場合は総走行距離が5万kmを超えると大きなパーツの故障が増える傾向がありますので、敬遠される人もいます。

 ただし中古車市場では国産車でも5万kmを超えると『距離多め』、10万kmを超えると『過走行車』という扱いになります」

 ただし、これはあくまで程度を推測する目安でしかなく、それよりも経年による全体的な劣化を注意したほうが良いそうです。

「過走行でも確かにクルマの劣化は進行しますが、エンジンを含めて各部品が正常に仕事をしているので距離が伸びるわけです。

 むしろあまり乗らずに、雨風にさらされた状態で長期間駐車されていたクルマのほうが状態は悪くなることが多いです」(中古車店 K店長)

 つまり、年式の割に走行距離が極端に少ない中古車は、乗らずに駐車されていた可能性が高いということ。クルマはある程度の距離を走っているほうがコンディションを維持しやすいようにできています。

 低走行車の場合、エンジンをかける頻度が少なければエンジン内に十分なオイルが循環されない状態になりがちです。

 オイルが十分に循環されていれば各金属パーツとの接触部分に油膜が形成され正常に作動しますが、オイルの潤滑が長く途絶えてしますと油膜の形成に悪影響を及ぼし、いざ動かそうとしたときに金属パーツが擦れて摩耗が進んでしまいます。

「また、長期間の駐車で燃料タンクに入ったままのガソリンは酸化して劣化しています。

 しかも高い揮発性のため長期間の放置で高粘度成分が残り、流動性が悪化してうまく燃焼することもできません」(中古車店 K店長)

 ちなみに、ガソリンの劣化は湿度や温度によって大きく左右されますが、密閉性の高い燃料タンク内とはいえ1年で劣化が進み、2、3年も放置されたままではドロドロになってしまいます。

「雨風や湿度などによって付着した水分や汚れがボディだけでなく内部にまで侵入し、酸化を進めることがあります。

 普段から走行していればオイルが循環し、取り込んだ走行風などで水分を飛ばすこともできるのですが」(中古車店 K店長)

 乗る(走行距離が伸びる)だけでなく、乗らなくても価値が下がるのは商品である以上は仕方がない部分ではありますが、クルマも人間同様にある程度の運動(走行)はコンディションキープのために必要なのは間違いないようです。

「オークションで仕入れる車両も、やはり年式と走行距離のバランスは重視しています。年式が古くなるほどに保安部品などが調達しにくくなるので、過走行でもしっかりメンテナンスされた年式が新しい中古車なら、十分にお得感が味わえると思います」(中古車店 K店長)

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2件のコメント

  1. 整備記録あり(12年目/17万キロ)
    オイル交換は5千キロごと。オイルフィルターは1万キロで交換。エアエレメント、アンダーコートは車検ごと。ミッションオイルは6年。タイミングベルト、マスラー交換は10年。ディスクブレーキ交換8年目。ラジエーターホース10年目。クラッチ交換12年目。

    整備屋曰く、中古車を買う前にエンジンルームと下回りの腐食を目視確認し、エンジン音を聞き、整備記録を確認しろ。年式が新しくても車検まで1回もオイル交換しないオーナーも居るから。 とか。
    最近はセルフのガソリンスタンドが多いからオイル交換やタイヤの摩耗についてのセールスがほぼ皆無なんで、車検までガソリンの給油しかしないオーナーも増えているそうだ。

    • 仰る通りです。
      車検毎にしかオイル交換をしない等々…次の車検まで乗りっぱなしと思われるオーナーがたまにいます。
      整備記録簿は確認すべきですね。

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