なぜ警察がSNS拡散希望!? 首都高を「スポーツカー」で走ると職質に!? 行き過ぎた「ルーレット族」対策の現状とは
2022年1月の大学生死亡事故を受けて翌2月に「取締り強化」を宣言
2022年1月5日にC1銀座料金所付近で4台が絡む事故が発生。
20代男性が運転するBMW「3シリーズクーペ」が仲間である男子大学生運転のホンダ「アコード」に追突し、大学生が即死するという痛ましいものでした。
この事故をきっかけに警視庁ではその後、2022年2月上旬に「ルーレット族の取締り強化」を公表。さらに厳しい取締りが始まったものと思われます。
もちろん、新型コロナ禍以降、首都高速におけるルーレット族対策として集合の拠点となる辰巳第一や箱崎、芝浦などのパーキングエリアを夜間閉鎖したり、移動オービスを使った速度取締りも盛んにおこなったりしてきました。
年末年始には450名体制で取締りを強化、大みそかから元旦にかけては首都高で3台の整備不良車を取り締まっています。
また、2月以降、強化された取締りにおいては、速度違反の超過速度もこれまでの30km/h前後から、なんと10km/hから20 k//hオーバーでも速度違反で切符を切られることが増えているとのこと。
具体的にどんなクルマが対象となっているのでしょうか。
実際に取締りの対象となった人からの情報を含めると、以下のようなクルマがマークされやすいと考えられます。
・リアウィングなどを備え、スポーツカーらしい見た目をしている
・都心環状線C1を走っている。何周もしていなくても、1周でもターゲットになることも。
・速度が速いクルマだけではなく、整備不良で切符を切れそうな「派手な見た目」を狙う。

ルーレット族への警戒を強めるパトカーにマークされると、ナンバーや画像、動画の撮影はもちろん首都高の周回数をチェックされ追尾が始まり、Aさんと同じように停止を求められ、高速隊や首都高の施設がある場所に誘導され、そこで詳細をチェックするということになります。
いってみればかなり「アナログ」な方法での取り締まりとなりますが、これには理由があります。
移動オービスといっても、取締りをおこなう警察官の安全を考えると設置できる場所は限られます。
1か所あたり2、3時間で場所を変えながら速度取締りをおこなうケースが多いのですが、SNSなどで仲間内ですぐに情報が共有され、速度取締りの場所も知れ渡ってしまう。
そこで、1台ずつ追尾をおこない、速度違反以外も積極的に捕まえるという「アナログ」方式に変更したといえるでしょう。
また、Aさんがそうであったように取締りの時間も2時から4時といった未明におこなわれることも珍しくないようです。
大きなウィングをつけているなど、明らかにスポーツカーであることが分かるクルマで首都高を走る際には、普段よりもさらに安全運転を徹底して走られることをお勧めします。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

















