ホンダの4WDは走ってホントに楽しいの!? 雪道走行でわかった「ヴェゼル」と「CR-V」の操作性の違いとは?
かつてホンダの4WDは「レスポンスがいまひとつ」といわれていましたが、それも過去のこと。リアルタイムAWDという4WDシステムを搭載してからは、走りも見違えるほどよくなりました。現行「ヴェゼル」と「CR-V」を雪道で走らせてみました。
ハイブリッド車でもモーター式4WDでなく機械式4WDを採用
ホンダはSUVの「CR-V」や「ヴェゼル」などにリアルタイムAWDと呼ばれる4WDシステムを搭載しています。
2011年にデビューした4代目CR-Vからは、それまでのデュアルポンプ式に代わり、電子制御によるクラッチをつなげることで後輪へトルクを送るシステムに変更。2018年2月の先代ヴェゼルのマイナーチェンジ以降は、制御ロジックを大幅に進化させた新世代タイプとなり、それが現行CR-Vや現行ヴェゼルにも組み込まれています。
同システムのポイントは、走行状況に応じて前後の駆動力配分を最適に調整すること。
アクセル開度、車輪速、選択しているギヤなど基本的なセンサーに加え、新世代タイプではステアリング舵角やヨー(車体が曲がろうとする力の大きさ)の動きなども検知し、クルマの状態をより細かく正確に把握。発進時はアクセルを踏み込んだ瞬間から反応遅れなくリアタイヤにトルクが伝わることで空転を防ぐほか、旋回時は前後トルク配分を最適化してハンドリングも高める制御をおこなうという、賢い4WDシステムです。
そしてもうひとつの特徴は、ハイブリッドでもガソリン車と同様に、後輪をモーター駆動するタイプではなくプロペラシャフトを用いたこのメカニカルな4WDを組み合わせること。
昨今はSUVであっても後輪をモーターに任せるクルマが増えつつありますが、ホンダは「SH-AWD」を除き、モーター駆動の4WDを展開していません。
その理由は、パッケージングと走りを両立することといいます。
CR-Vクラスになると話は変わってきますが、それよりも小さなヴェゼルクラスでは、走りのために求められる後輪のトルクをモーターで発生しようと思うと、大きなモーターが必要となるために荷室が狭くなる(床が高くなる)のは否めません。
コンパクトSUVで力強い駆動力とヴェゼルのライバルに対する大きなアドバンテージとなっている広大な荷室を両立するには、メカニカルな4WDが理想的というわけです。
ちなみに、4WDユニットはCR-Vとヴェゼルで同じものを搭載します。
なるほど、リヤにモーターを置くと居住スペースが犠牲になる可能性があるのか。