普通車上限630円増の1920円! 実質「値上げ」の首都高・新料金制度導入まであと1か月 その変更点とは
軽・二輪で最大500円増、普通車で630円増
では、新たな制度で、料金はどのようにかわるのでしょうか。まず上限料金「軽・二輪」で最大1590円(500円増)、「普通車」で1950円(630円増)となります。
ここで注目したいのは、この上限料金までは、これまでの料金カーブ(消費税抜き距離あたり料金単価29.52円/km)をそのまま延長した料金体系が採用されていることです。
そのため従来の上限料金が適用となる距離(35.7km)までの利用では、新たな制度でも料金に変更はありません。つまりその距離を上回る走行に限り、上記距離あたり料金単価が新たな上限料金まで加算されていくのです。
この従来の上限を上回る距離は、川口線と外環道が接続する川口JCT〜渋谷線用賀出口(38.6km)、湾岸線舞浜入口〜湾岸線本牧ふ頭(38.7km)などをイメージするとわかりやすいでしょう。
ただ現金車については、これまで同様、ETC車の上限料金を支払うこととなるため、わずかな区間の利用でも「軽・二輪」1590円、「普通車」1950円(一部区間例外あり)と、大幅な値上げとなります。
なお、こうした「値上げ」の一方で、新たな割引制度も導入されます。
まず一般の利用者にとって身近なものが、ETC車に向けておこなわれる「深夜割引」です。これは比較的交通量の少ない深夜へ交通量の転換を図るためにおこなわれるもので、深夜0時から4時までの間に首都高の入口等(最初のETCアンテナ)を通過した場合、料金の20%が割引となります。
また物流を担うトラックなどに多く適用される「大口・多頻度割引」は、車両単位の割引を見直すことで、割引率は現在の最大35%の割引から最大45%(ETCコーポレートカード利用、中央環状線内側を通行しない利用分)へと拡充されることとなります。
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こうして新料金制度を俯瞰してみると、上限料金の見直しで、たしかに都心部の通過交通抑制には効果がありそうです。
しかし、都心部よりも渋滞が目立つことの多い中央環状線は、「大口・多頻度割引」の改定でさらに交通状況が悪化するのではないかと考えられ、制度設計がややちぐはぐな印象です。
また短距離でも、原則として上限料金になる現金車は大幅な値上げとなり、事実上の“首都高締め出し”がより強化されることとなります。
はたしてこの新料金制度で都心部の渋滞は解消されるのか、また外環道や圏央道など周辺道路や都内の一般道への影響はどうなるのか。興味を持って見守りたいと思います。
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