アクセルオンで向きが変わるのが醍醐味! 超絶パワーの最新後輪駆動車3選
現在、世界的にもFF車が主流ですが、生粋のスポーツカーではまだまだ後輪駆動のクルマが数多く存在します。そこで、日本で販売されている大出力の後輪駆動車を、3車種ピックアップして紹介します。
今では貴重な大出力後輪駆動の最新スポーツカーを振り返る
クルマの駆動方式にはいくつか種類がありますが、現在、販売されているクルマでは世界的にもフロントエンジン・フロントドライブ=FFが主流となっています。
およそ120年前に内燃機関を搭載する自動車が発明されてから1960年代までは、後輪駆動車が大多数を占めていました。
クルマの舵をとる前輪と、路面に駆動力を伝える後輪に分かれているのは、ある意味シンプルで理にかなっているレイアウトといえるでしょう。
しかし、駆動系がフロントに集約されるFFの方が室内空間を広くできることから、1970年代以降は軽自動車から大型セダンまでFF車が急速に普及しました。
一方で生粋のスポーツカーでは、ハンドリング性能やドライブフィーリングの面で後輪駆動にこだわるクルマが多い傾向にあります。
そこで、日本で販売されている数少ない大出力の後輪駆動車のなかから、最新のモデルを3車種ピックアップして紹介します。
●レクサス「RC F」
トヨタがグローバルで展開している高級車ブランドのレクサスは、やはり後輪駆動に強いこだわりがあり、現行モデルのなかには、非日常的といえる高性能FRスポーツカーの「RC F」がラインナップされています。
RC Fはレクサスのスポーツモデルの頂点に君臨する「F」シリーズの1台で、歴代モデルと同様にサーキット走行も視野に入れて開発されました。
ボディは流麗なフォルムの2ドアクーペで、サイズは全長4710mm×全幅1845mm×全高1390mmと、プレミアムなクーペにふさわしい体躯です。
また、大きく張り出した前後フェンダーによって迫力あるフォルムを形成しながらも、サイドビューは美しいシルエットを実現しています。
フロントに搭載されるエンジンは今では貴重な5リッターV型8気筒自然吸気で、最高出力は481馬力を誇り、この大パワーを2速以上のギアすべてロックアップでき、最短0.1秒の変速を可能にした8速ATを介してリアタイヤに伝えています。
グレードは標準仕様のほかに“Carbon Exterior package”、“Performance package”を設定しており、Performance packageではカーボン製のフロントスポイラーとリアウイングが装着され、よりアグレッシブなスタイリングに変貌しているだけでなく、超ハイスピード領域での高い空力性能を発揮。
ブレーキは、フロントが対向6ポッド、リアが対向4ポッドのキャリパーが奢られ、さらにPerformance packageではカーボンセラミックブレーキを標準装備するなど、サーキットでのパフォーマンスに特化した仕様となっています。
RC Fの価格(消費税込、以下同様)は、1052万円から1449万円です。
●BMW「M4クーペ」
BMWの高性能仕様の最高峰に位置するのが「Mハイパフォーマンス」モデルですが、その最新機種である「M3セダン/M4クーペ」が、2021年1月に日本でも発売されました。
M4クーペのラインナップは、標準仕様のM4クーペと「M4クーペ コンペティション」「M4クーペ コンペティション トラックパッケージ」の3タイプです。
ボディサイズは全長4805mm×全幅1885mm×全高1395mmとスタンダードな4シリーズよりもワイドボディで、全体のフォルムはBMWの伝統ともいえる、美しいシルエットのクーペスタイルに仕立てられています。
賛否両論あった縦に大きいキドニーグリルですが、迫力あるフロントフェイスを演出するのに欠かせないアイテムといえるでしょう。
搭載されるエンジンは3リッター直列6気筒ツインターボで、M4クーペが最高出力480馬力、コンペティションシリーズは510馬力を誇ります。このパワーを後輪のみで路面に伝えるFRが基本ですが、2021年9月にはコンペティションとトラックパッケージにシリーズ初の4WDモデル「M xDrive」、さらに「M4 カブリオレ コンペティション M xDrive」が追加されました。
トランスミッションは「8速Mステップトロニック」(AT)を基本に、標準仕様のM4クーペは6速MT車のみの設定となっています。
M4クーペシリーズの価格は1324万円から1520万円で、ハンドル位置は全グレードとも左/右が選べます。
●シボレー「コルベット」
シボレー「コルベット」は1954年に誕生した初代以来、一貫してV型8気筒エンジンをフロントに搭載するFR駆動という伝統を守ってきたアメリカンスポーツカーの代表的存在です。2019年7月に登場した現行モデルの8代目で、シリーズ初のリアミッドシップカーとなりました。
日本では2021年5月からデリバリーが始まっていますが、同じくシリーズ初の右ハンドル仕様のもとなったことも大いに話題となりました。
外観はまるでイタリアスーパーカーのようなウェッジシェイプで、ボディサイズは全長4630mm×全幅1940mm×全高1225mmと、数字のうえでもまさにロー&ワイドです。
また、全体的にエッジが効いたシャープな造形で、アメリカンスポーツカーらしさを表現。
ラインナップは3タイプで、装備の異なる「クーペ 2LT」と「クーペ 3LT」、そしてオープンカーの「コンバーチブル」を設定。
パワートレインは全車共通で、最高出力502馬力を誇る6.2リッターV型8気筒OHVエンジンに、トランスミッションは8速DCTが組み合わされています。
なお、2021年10月には、よりハイパフォーマンスなモデル「コルベット Z06クーペ/コンバーチブル」が発表されました。
Z06は日本でリリースされておらず、今のところ北米市場専用モデルですが、1989年に発売された「コルベット ZR-1」以来となるDOHCヘッドの5.5リッターV型8気筒「LT6型」エンジンを搭載し、最高出力670馬力を8400rpmという高回転域で発揮します。
日本仕様のコルベットの価格は、1250万円から1600万円です。
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今回紹介した3車種以外にも、大出力の後輪駆動車は存在しますが、今後EVになった場合はどうなるでしょうか。
まず、モーターは駆動輪の直近に搭載されるため、FRは早晩消えてしまうでしょう。後輪駆動ならばホンダ「ホンダe」のようにリアにモーターを搭載するのが合理的だからです。
また、モーターはゼロ発進時のトルクが最大となることから、大出力のEVではトラクション性能を向上させるため、前後にモーターを搭載した4WD化が必須となるでしょう。
さらに、より高効率の「インホイールモーター」のEVが実用化されれば、駆動方式という概念も大きく変わることになりそうです。
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