群馬・新潟県境「新三国トンネル」3月開通 関越も現行の国道トンネルもあるのに造ったわけは?

群馬・新潟県境で建設が進められてきた国道17号の「新三国トンネル」が2022年3月に開通します。この県境には関越トンネルや現行の三国トンネルがすでにありますが、なぜ新たにトンネルを掘ったのでしょうか。

危険物積載車両にとって唯一の県境越えルート

 群馬・新潟県境に位置する三国峠で、2022年3月19日、国道17号の「新三国トンネル」が開通する予定です。

 この群馬・新潟県境をクルマで通過するには、現在は関越自動車道の関越トンネルや、三国峠を通る国道17号の「三国トンネル」があります。

 今回はさらに新三国トンネルができるわけですが、なぜ3つ目の道路トンネルを新たに掘ったのでしょうか。

開通を待つ新三国トンネル(2021年12月撮影、画像:国土交通省関東地方整備局)
開通を待つ新三国トンネル(2021年12月撮影、画像:国土交通省関東地方整備局)

 国道17号は東京と新潟を結んでおり、主に中山道や三国街道を受け継ぐ道筋をたどります。高速道路の関越道はこの国道17号に概ね並行しています。

 群馬・新潟県境を現在クルマで行き来できる道路は、前述の通り関越道と国道17号の2本だけです。

 関越道は、長さ10km近い関越トンネルで県境の山を一気にくぐりますが、トンネルの長さが5kmを超えているため、タンクローリーなどの危険物積載車両は通行できません。

 そのため国道17号は、危険物積載車両が通れる唯一の県境越えルートとして使われており、また、関越道が事故などで通行止めになった際も、重要な迂回路として機能しています。

 現在、国道17号の県境(三国峠)付近は長さ1218mの三国トンネルで通過することができますが、1959年に開通したこのトンネルは老朽化が進んでおり、度重なる補修工事によって覆工が増してトンネルの断面が小さくなっているという問題がありました。

 トンネルは2車線ですが、国土交通省関東地方整備局によると大型車がすれ違う際はトンネルの内壁を擦るなどの事態が生じているといいます。

 新三国トンネルは、このような問題を抜本的に解消するために建設されたものです。

 新たに掘られたトンネルの長さは現行のトンネルとほぼ同じ1284mで、車線も2車線で同じですが、トンネルは一回り大きくなり、大型車同士でも安全にすれ違いができるようになります。

 関東地方整備局は、国道17号について「関東と北陸を結び、幹線道路として機能し産業や文化等の発展に大きな役割を担っております。また、群馬県と新潟県を境間で車両の通行できる道路は、国道17号と関越自動車道の2路線で、関越自動車道が災害や事故により通行止めとなる際、代替経路となるなど物流や住民生活に不可欠な幹線道路です」とその重要性を説明しています。

【画像】新三国トンネルの位置と、「激狭」三国トンネル(6枚)

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