クルマの「白いヘッドライト」は流行り? かつての「暖色」から「白色」に変化した理由とは

明るすぎるLEDには注意 ヘッドライトには使用できないことも

 このように、最近のクルマのデザインにまで影響をおよぼしているヘッドライトのLED化ですが、実は使用するLEDライトによっては法令違反となる可能性もあるようです。

 ヘッドライトの色については規定があり、「道路運送車両の保安基準第2章及び第3章の規定の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示」の第24条「前照灯等」では、ハイビーム、ロービームともに「灯光の色が白色又は淡黄色」と定められています。

 光の色、いわゆる「色温度」はケルビンという単位で表され、数値が高いほど青みが増します。

 つまり、法令に示された「白」のライトを備えるためには、ケルビンの数値が高すぎてはいけないということです。

 しかし、ケルビンの具体的な上限値までは法令で定められておらず、色の判断は各保安検査場の検査員の目視によっておこなわれ、明確な数値というよりは、目で見たときの実際の色味が重要となります。

 例えば、ひとつの目安となりそうなのが、JIS(日本産業規格)が示すLEDライトの色温度です。

 JISでは、3250ケルビンから3800ケルビンを「温白色」、3800ケルビンから4500ケルビンを「白色」、4600ケルビンから5500ケルビンを「昼白色」と分類しており、それぞれ色味は異なるものの、一般的にはこの範囲が「白」として認識されています。

 前述したように色の判断は目視でおこなわれているため、厳密に数値の上限を示すことは実質不可能ですが、JISの規格を目安とすると3250ケルビンから5500ケルビンのものは比較的車検に通りやすいと考えられます。

眩しすぎるLEDヘッドライトは車検に通らないことがある
眩しすぎるLEDヘッドライトは車検に通らないことがある

 一方で、明確に数値化して規定が定められているのが、「光度」(カンデラ)です。光度については、前出の第24条において以下のように記されています。

「走行用前照灯(ハイビーム)は、そのすべてを同時に照射したときは、夜間にその前方100メートルの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有し、かつ、その最高光度の合計は22万5000カンデラを超えないこと」

 なお、ロービームは「すれ違い用前照灯」とされており、最高光度は規定されていないものの「その照射光線が他の交通を妨げないものであり、かつ、そのすべてを同時に照射したときに、夜間にその前方40メートルの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有すること」とされています。

 この規定に則って考えると、ハイビームが2灯のクルマでは、ひとつあたり11万2500カンデラの光度が上限となり、ロービームはそれ以下の光度である必要があります。

 そんなカンデラの語源は、獣の脂を活用したろうそくである「獣脂蝋燭(じゅうしろうそく)」を意味する「candela(カンデラ)」というラテン語にあります。

 そのため、1カンデラはろうそく1本分の明るさと同程度とされており、単純に計算すると22万5000カンデラは、ろうそく22万5000本分となります。

※ ※ ※

 市販品のバルブに交換する際は、明るすぎないものを選ぶのが重要といえます。車検に適合しない可能性も考えられため、専門店などで交換作業をしてもらうことが無難といえるでしょう。

【画像】LED化でこんなに変わるの? 変化スゴいLEDのスゴさを見る(20枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

1 2

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー