「まるで新車みたい!」 巨大タイヤを装着の三菱「ジープ」 ホワイトボディが美しい「熱き想い」の仕様とは

宮城県仙台市の花壇自動車大学校の学生が作成した三菱「ジープ」が東京オートサロン2022に出展され、話題となりました。一体、どのような車両になっているのでしょうか。

花壇自動車大学校がつくる三菱「ジープ」の魅力

 未来の整備士や自動車関連業界を担う人材を育成する自動車大学校では、実習としてクルマの整備や製造などをおこない、クルマにかかわる技術を実践的に学びます。

 そんななか、宮城県仙台市の花壇自動車大学校の学生が作成した三菱「ジープ」が東京オートサロンに出展され、話題となりました。一体、どのような車両になっているのでしょうか。

これはスゴいね! 高齢男性の想いを乗せて学生達が製作した「KADANジープ」の完成度に驚愕!
これはスゴいね! 高齢男性の想いを乗せて学生達が製作した「KADANジープ」の完成度に驚愕!

 自動車大学校は国内各地に点在していますが、花壇自動車大学校では例年、卒業制作の一環として学生がイチからクルマをレストアしたり、カスタムカーの制作をおこなっています。

 2022年3月に卒業予定の花壇自動車大学校の学生11名は、2021年度の卒業制作のひとつとしてジープのレストアおよびカスタムをおこないました。

 制作された車両は、花壇自動車大学校の名からとって「KADANジープ」と名付けられています。

 KADANジープのベースには1988年式のJ53型ジープが用いられており、制作には約4か月の期間を要したそうです。 

 そんなKADANジープは、丸目のヘッドライトやテールライトがレトロ感は残しつつも、KADANオリジナルペイントでボディは真っ白に全塗装され、内装のシート類もすべて張り替えがおこなわれており、まるで新車のようにレストアされています。

 外装では、足回りがリフトアップされ、サイズが大きいブロックパターンタイヤを装着。ジープの持つクロカンらしさをさらに強調したデザインとされています。

 一方で、単に荒々しさが加わっただけでなく、内装を見てみるとタッチパネル式のディスプレイやBluetoothで接続できるスピーカーが搭載され、かなり現代風な機能が備わっていることがうかがえます。

 こうした現代風カスタムの背景について、制作をおこなった学生は以下のように話します。

「ジープは悪路走行を目的としているため、どうしても泥水などで汚れてしまうというイメージを持つ人が多いと思います。

 そうしたイメージとは逆行して、『あえてオシャレで綺麗なシティ派ジープを作ろう』ということになりました」

 また、この学生によると、今回ベースとしたジープはかつて同校への入学を希望していた当時77歳の男性の所有車だったそうです。

 男性は、自身でジープを整備する技術を習得するために入学を希望していたものの、年齢によって運転が困難となり、入学は諦めざるを得なかったといいます。

 その代わり、自身で大切に保管していたジープを同校の実習車両として寄付したそうです。
 
 このジープは、すでに34年落ちということもあってボディの経年劣化はそれなりに進行していましたが、男性が大切に保管していたことから、エンジンの状態は良く、今回のレストアで手を入れるほどではなかったそうです。

 制作では、それぞれの担当ごとに分担して作業が進められたそうですが、学生は大変だった点について「ボディの劣化については、サビの除去などかなり地道な作業で修復をおこないました」と話します。

 ボディはレストアするにあたって、すべての劣化箇所がグラインダーで削り取られ、切断や溶接をおこない、ほぼイチからの状態で作り上げられています。

 足回りのアーム類も劣化が激しく、レストアというよりは、再度制作し直しといった状況だったようです。

 また、エンジンはそのまま活用できる状態だったものの、タービンはオーバーホールが必要だったため、1度分解してからパーツの交換や清掃を経て、再度組み直しがおこなわれています。
 
 さらに、学生によると、制作過程でも度々トラブルに見舞われ、組み直したパーツ同士が干渉してしまったり、配線を繋いだライト類が灯火しなかったりと、予定どおりには進まない日々だったといいます。

 そんな日々を経て完成したKADANジープは、「東京オートサロン2022」に展示され、多くの来場客からの注目を集めました。

 学生は制作について、「フルレストアは今回が初めてでしたが、終わったときには疲れとともに大きな達成感を得ることができました。オートサロンでは、多くの人に自身の担当箇所を評価してもらえて大変うれしく思います」と笑顔でコメントしています。 

※ ※ ※

 今回のレストアでは時間が足りなかったこともあり、ナンバーの取得までは到達しなかったそうですが、「実際に走行できないクルマはクルマではない」という考えのもと、ライトの点灯やステアリングの可動域など、しっかりと実際に走行できるレベルにまで仕上げられています。

 KADANジープが学生と所有者の男性の強い想いを乗せた秀逸な1台であることは間違いないでしょう。

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1件のコメント

  1. ターボってことはPJ53か、懐かしいな。

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