すごみある走り味! 三菱「アウトランダーPHEV」は売れ行き好調も…急激な「EVシフト」でPHEVに未来はあるのか?
どうなる日系メーカーと日本市場の動き
では、日系メーカーではどうでしょうか。
たとえば、トヨタは2021年12月に発表したように、2030年には年間350万台のEVを製造・販売するという目標を掲げています。
ただし、同社の豊田章男社長はそれぞれの国・地域の社会特性に合わせて、HVからFCV(燃料電池車)、水素燃料車までの「全方位戦略」を強調しています。
日本については、世界でも稀なハイブリッド車の普及率が高い市場です。そうしたハイブリッド車の母数を下地として、PHEV、EV、そしてFCVへと段階的に電動車市場が広がるというのが、これまでトヨタが描いてきた未来予想図ですし、これからもその基本路線は変わらないと思います。
そのため日本では、欧州市場のようにEVへ“ひとっ飛び”するのではなく、幅広い生活環境にマッチするPHEVについても拡充する可能性は十分にあると思われます。
では、その他のメーカーはどうでしょうか。
日産のHVは、シリーズハイブリッドの「e-POWER」が主流であり、日産の関係者は「現状でプラグインハイブリッドのe-POWERを開発するという可能性は低い」と指摘します。
ホンダは、2040年にグローバルでEVおよびFCV100%を目指すと宣言しています。そのうえで、ホンダの主戦場であるアメリカが、連邦政府の方針として将来的なPHEV存続の可能性を示唆しているため、ホンダとしてはPHEVの新規導入も十分あり得るのではないでしょうか。
そして、現時点で新型PHEVの導入を決定しているのが、マツダです。マツダ第7世代商品群で、FR(フロントエンジン・後輪駆動車)をラージ商品群と位置付けており、縦置き直列4気筒エンジンのPHEVを、「CX-60」を筆頭に日本にも導入する計画があります。その反面、マツダとしては欧州でのEV市場への早期の対応が必須となってきました。
その他、スバルは北米向け「クロストレック」(日本名「XV」)にPHEVがありますが、日本での発売予定は今のところないようです。
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自宅近くの生活圏は充電した電気でEVとして動き、少し遠出するときは電欠を気にすることのないHVになるという、技術的に賢いPHEV。
世界的なEVシフトの影響が今後、日本のPHEV市場にどのような影響を及ぼすのか、今後の市場動向を注視していきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
単純にPHEVをひとくくりにして考えていますが、
シリーズハイブリッド主体のPHEVは
技術的にはエンジン外し、バッテリー増やしモーター強化すればほぼまんまBEVへ変換出来るし、
現状航続距離に不安のあるBEVにとっての代替として欧州でも
ステランティスなどは普通充電のみでコスト抑えたPHEVを売り出してるよね。
他社が出さないのは新たに開発するのはコスト高だからで
バッテリー開発費に資金投入したいから
コスト優先上PHEVをスキップし一足飛びにBEV化を進めてる訳だろ、
だからBEVにもっとも近いがガソリンでも走れるシリーズハイブリッド主体のPHEVは、
今後もそんなに増えないかもしれませんが、
EVシフトの中で未来に一番最後まで生き残り続ける可能性あるガソリン車ではないか?