すごみある走り味! 三菱「アウトランダーPHEV」は売れ行き好調も…急激な「EVシフト」でPHEVに未来はあるのか?
三菱の新型SUV「アウトランダーPHEV」の売れ行きが好調ですが、一方で世界的には「EVシフト」がハイペースで進んでいます。PHEV(プラグインハイブリッド車)は生き延びることができるのでしょうか。
走り際立つ新世代PHEV
三菱の新型SUV「アウトランダーPHEV」の評判が高く、販売も好調です。
2021年12月16日の発売から約1か月後には、販売総数が月販目標の9倍となる9000台を超えています。
人気の理由は、三菱らしい威風堂々とした押し出し感のある顔や筋肉質なボディデザイン、先代と比べて少なくとも2ランクはアップしたと感じるセレブ感満載のインテリア、そしてプラグインハイブリッドと7つの走行モードを持つ電動四駆機構といえるでしょう。
実際に走らせてみて、その走り味がいかに他の電動車と違うかが、はっきりと分かりました。
最初に、千葉県内にあるオフロードコースを攻めてみたところ、アクセルオンでクルマのリアが積極的にコーナーの内側に回り込もうとする動きが実感できました。
見た目の印象とは正反対に、とにかく軽快に走ります。100kWという強靭なリアモーターと、前後輪のAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)のバランスが絶妙なのです。
三菱関係者は「ラリーで培った豪快な走りのテイストも取り入れた」と表現するほど、すごみのある走り味です。
次に市街地を走行してみると、エンジンがかかるタイミングのほとんどは、エンジンを発電機として使うシリーズハイブリッドの状態のときです。エンジンの作動音もかなり抑えられています。
電動関連分野の開発者は「モーターがエンジンをアシストするのは、100km/h以上の高速域や、60km/h程度以上でアクセルを大きく踏み込んだ場合です」と説明します。
また、欧州系メーカーのPHEV(プラグインハイブリッド車)と比べ、シリーズハイブリッドの機能が強いことについては「我々のシステムはEVを基本として、そこにシリーズハイブリッドが加わるイメージ。他社はEV走行以外だと、一般的なハイブリッドに戻ってしまいエンジンの存在感が増すというイメージがあるのでは」と指摘します。
欧州EVシフトの影響大きい
新型「アウトランダーPHEV」の出来栄えが良いことから、今後も国内外のさまざまなメーカーからPHEVが日本で登場することを期待したいのですが、残念ながらそうならない可能性も考えられます。
最大の理由は、欧州市場を起点とした急激なEVシフトです。
たとえば、英国のジャガーは2025年に新車の100%をEV化すると決めていますし、スウェーデンのボルボは2030年に、またドイツのメルセデス・ベンツは、市場環境が整えばという前提ながら2030年に新車100%EV化を目指しています。
メルセデス・ベンツのEV戦略については、日本貿易振興機構(ジェトロ)がドイツ発の情報として、メルセデス・ベンツのEVとPHEVを合わせた数は、同社の乗用車販売台数に占める割合で2020年が7.4%、2021年上半期が10.2%だったと公表しています。これを、残り8年間で10倍の100%まで持っていこうというのです。
現実を見ると「まずPHEVを出してからEVへ」と段階的に引き上げていくような時間的な余裕はなく、現状のガソリン車、ディーゼル車、PHEVは次々とEVに置き換わっていくことを意味しています。
その他の欧州メーカーの場合、2000年代から2010年代中頃までは、その後のEVへの移行期がかなり長いと予測していたため、PHEVモデルを積極的に加えていく動きが見られました。
それが、2010年代後半から現在まで続いている欧州市場での政治的な動きによる急速なEVシフトに押し流されてしまいそうな雰囲気なのです。
単純にPHEVをひとくくりにして考えていますが、
シリーズハイブリッド主体のPHEVは
技術的にはエンジン外し、バッテリー増やしモーター強化すればほぼまんまBEVへ変換出来るし、
現状航続距離に不安のあるBEVにとっての代替として欧州でも
ステランティスなどは普通充電のみでコスト抑えたPHEVを売り出してるよね。
他社が出さないのは新たに開発するのはコスト高だからで
バッテリー開発費に資金投入したいから
コスト優先上PHEVをスキップし一足飛びにBEV化を進めてる訳だろ、
だからBEVにもっとも近いがガソリンでも走れるシリーズハイブリッド主体のPHEVは、
今後もそんなに増えないかもしれませんが、
EVシフトの中で未来に一番最後まで生き残り続ける可能性あるガソリン車ではないか?