明るすぎるLEDライトは車検NG!? お手軽カスタム“LED化”に落とし穴? バルブ交換の注意点とは
バルブの色温度によって感じる明るさが違う! 実際に交換してみた
もうひとつ、バルブ(バーナー)交換でこだわりたいのが「色温度」です。これは光源の色を数値で表したもので、単位は「ケルビン(kelvin)」となっています。
現在、市販されているバルブ(バーナー)は、2800K(ケルビン)から10000Kあたりとなっており、低い数値では赤みがかった光となり、数値が高くなるほど青みがかった光に見えます。
ただし、車検をパスさせるためには、保安基準の第198条の三で明記される「走行用前照灯は白色であること」に適合させなければいけません。

「昔は色温度が低く(2800K)黄色がかったバルブなどが流行りましたが、現在は人間工学的により明るく認識される高めの色温度(6500K前後)のバルブが人気です。
平均的な白さでいえば4300Kから5500Kあたりなら問題なく車検を通ると思います」(T整備士)
実際、2800Kから6700Kあたりまでが車検対応といわれる合格ラインとなっており、10000Kになるとブルーの発色が強く、車検時では検査官が白と認識しないケースもあるそうです。
今回、実際に筆者(金田ケイスケ)がバルブ(バーナー)の交換をおこなってみました。
車両は純正でHIDを採用するアウディ「A4アバント」(2011年式)で、バーナーの形式は「D3S」となっており、適合するものをインターネットで購入。
純正HIDバーナーの色温度はおそらく4300K程度で、ハロゲンよりは白に近いのですがLEDほど鮮やかとはいいがたい色温度だったので、少しだけ青みがかった印象の6500Kをチョイスし、最近の新型車のLEDヘッドライトに近い色合いにしてみました。
前出のT整備士に正しい取り付け方法を教えてもらいながら施工してみたのですが、まずはボンネットを開けてヘッドライトユニット上のカバーを取り外します。
次にヘッドライトユニットを固定しているボルトを取り外し、配線に気をつけながらユニットごと前方にスライドさせるように取り出します(ここでバーナーに電力を供給しているカプラーを外す必要があります)。
あとは、後ろのゴム製カバーを開けると古いバーナーが見えるので、これを新しいのと交換。そして逆の順序で元の位置に戻していきます。
T整備士が指摘したようにユニット後方には交換できるだけのスペースがエンジンルームにはないため、ユニットごと取り外してバルブ(バーナー)交換する方法がもっとも効率良く作業可能です。
カー用品量販店での作業工賃は、バルブ(バーナー)交換だけだと2000円から3000円、ヘッドライトユニットを取り外す必要がある場合は5000円から6000円前後が相場。
しかし自分でやればバルブ(バーナー)の購入費用だけで済み、作業工賃を抑えたい人やメンテナンスに自信がある人はトライしてみてもいいかもしれません。
※ ※ ※
交換後に高速道路を走った感想として、+2000Kの明るさは効果抜群です。光量は同じながら明るさは2、3割アップしたように感じられ、夜の運転がかなり楽になりました。
そして色温度の違いによって視界の印象が変化することを実感でき、さらにクルマの見た目も数年若返った気がします。
ただし明るければ良い(色温度が高い)というわけでもなく、たとえば積雪の多い地域では逆に色温度を下げて黄色みがかった光のほうが凹凸に陰影が出やすく運転しやすいでしょう。
また、バルブ(バーナー)交換の手順も覚えてしまえば難しくないのですが、ヘッドライトユニットを取り外すためにはバンパーまで外さなければいけない車種もあるようです。交換するときは事前に販売店に相談してみることをおすすめします。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

























