EV時代の「カスタム」は生き残れるか!? エアロ&ライトは継続? チューニングはどうなる?

心臓部のチューニングはハードルが高い?

 ただ、パフォーマンスアップを目的としたチューニングは、ガソリン車と電動車で大きく変わるものと考えられます。

 パフォーマンスアップにもいくつかの種類がありますが、例えば、最高出力や最大トルクをアップさせることで加速性能や最高速度を向上させたり、サスペンションなどの足回りをチューニングしてハンドリングを向上させたりするようなものがあります。

 足回りのチューニングは、BEVでも基本的な考え方は大きく変わらないものと思われますが、パワートレインのチューニングについてはまったく別物になることが予測されます。

BEVの心臓部はチューニングが難しい? 今後のチューニング業界はどうなる?(画像:三菱「K-EV concept X style」)
BEVの心臓部はチューニングが難しい? 今後のチューニング業界はどうなる?(画像:三菱「K-EV concept X style」)

 ガソリン車の場合、パフォーマンスを向上させるためには、給排気系パーツの交換やプラグの交換などの比較的手の出しやすいものからはじめるのが一般的です。

 しかし、BEVの場合は、VCM(ビークル・コントロール・モジュール)と呼ばれる車両制御部品のソフトウェアを書き換えたり、バッテリーやモーターをより強力なものに換装したりといった、初心者にはハードルの高いチューニングがメインとなります。

 また、高度な技術力が求められることから、既存のチューニングショップでは対応できない可能性が高いという事情もあります。

 一方で、今後はスマートフォンのようにソフトウェアの書き換えによるクルマのアップデートも進むといわれており、VCMについてはメーカー純正のチューニングプログラムが利用可能になる可能性もあります。

 ただ、そもそもBEVの多くはノーマルの状態でも相当な加速性能を持っているため、信頼性や安全性の面からも圧倒的なパフォーマンスアップは望めないのではないかとも思われます。

 エアロパーツによる空力性能の改善やカーボンパーツの採用による軽量化などは、BEVでも大きなメリットが得られるため、そうしたカスタムは電動化時代でも生き残るのでしょう。

 しかし、心臓部であるバッテリーやモーターのチューニングを、一般ユーザーが行うということはあまり現実的ではないのかもしれません。

※ ※ ※

 電動化が進むと同時に、自動運転やクルマのシェアリングも進んでいくことが予想されています。

 完全自動運転が普及すると、そもそもドライバーが必要なくなるため、運転の楽しさを追求するようなカスタムは不要になってしまうかもしれません。

 また、シェアリングが進めば「自分のクルマ」という概念も薄れてしまうため、カスタム自体が下火になってしまう可能性もあります。

 いずれもすぐに実現するものではありませんが、そうした時代が到来すれば、カスタムカーというものの位置付けも大きく変化することは間違いありません。

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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