レクサス新型「LX」14年ぶり全面刷新! 「ランクルのレクサス版」じゃない! 4座&OFF仕様設定! 開発者に訊く本音とは

新型LXにトヨタ豊田社長が乗った感想は? 将来LXの電動化はあるのか?

――横尾さんはチーフエンジニアのなかでは若いと思いますが、一過言あるメンバーが多いなかでどのように手綱を引っ張ってきたのでしょうか? そしてプレッシャーは?

「生半可な物は出せないだろうな」と思っていたので、「やってダメなら心中だ!!」という気持ちで進めました。

 精神論になりますが、「ブレずに通す」、「頑張り続ける」を徹底しました。そのなかでも現場の力に助けられたのは大きいですね。

――何かエピソードはありますか?

 開発途中でフレームのブルブルが取れず、技術者も解決策がなく困っていたところ、現場の試行錯誤(キャブマウントの締め付けるワッシャーの径や厚みを細かく調整)で解決してくれました。

――ちなみにマスタードライバー(トヨタ社長・豊田章男氏)の評価は?

 もちろん乗ってもらっています。いわれたのは「走る道はランクルと同じだが、よりフォーマル、より上質なのがLXである」と。

 エグゼクティブの乗り心地をチェックしてもらったときは「4座にするのは簡単だが、その価値は?」というところも指摘いただきました。

――新型LX、どのようなお客さんに乗っていただきたいですか?

 LXの価値は豪華なだけでなく、どんなところに行けることだと思っています。

 今日ある道が、明日はないかもしれない……そんな視点で見ると「安心感を持てるレクサス」だと思っています。

 決して安いクルマではありませんが、選択肢のひとつとして選んでいただけると嬉しいです。

「AHC(アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション)」の差。「LX(オフロード仕様)」は車高を最大限上げているが、「LX(標準仕様)」は1番下を選択している
「AHC(アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション)」の差。「LX(オフロード仕様)」は車高を最大限上げているが、「LX(標準仕様)」は1番下を選択している

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 新型LXは先代の「ランクルのレクサス版」から「レクサスのフラッグシップSUV」という印象に様変わりしましたが、この最後にこの先のLXについて伺ってみました。

――12月14日に開催されたBEV説明会で「レクサスは2035年にBEV100%」と発表されました。将来的にはLXも電動化を決断しなければいけないときが来ますよね?

 もちろんそうですね。ただ、現時点では「耐久性/信頼性/悪路走破性」を電動車で実現できるかが大きな課題です。

 逆をいえばそれが実現できないとLXである必要はないと思っています。

 加えて、「お客さまの使い方に合っているかどうか?」、そこも揃ったうえで議論していくことだと思っています。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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