VW新型「ゴルフ」にディーゼルモデルTDI追加! 遅れて登場した本命はどう進化した?
2021年6月に日本に上陸し、2021−22日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポートカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた8代目となるVW新型「ゴルフ」に、この12月21日、待望のディーゼルモデル「ゴルフTDI」が追加されました。その走りはどうなのでしょうか。モータージャーナリスト岡本幸一郎氏のレポートです。
従来モデルと比較してNOxの排出量が最大80%削減
2021年6月の衝撃の日本上陸から半年たらず。8世代目にフルモデルチェンジしたフォルクスワーゲン(VW)新型「ゴルフ eTSI」に次いで、こちらを待っていた人も少なくないであろう、ディーゼルモデルの「ゴルフTDI」がやってきました。
最高出力150馬力(110kW)、最大トルク360Nmというエンジンスペックは、1.5リッター4気筒ガソリンターボのeTSIに対して、最高出力が同じで、最大トルクは110Nmも大きい数値となります。さらにWLTCモード燃費は20.0km/Lと、同eTSIの17.3km/Lを2割近く上回ります。
同じように4グレード体系で、車両価格は291万6000円から375万5000円のゴルフeTSIに対し、ゴルフTDIは344万4000円から408万8000円となっていますが、じつはエンジンの違いだけではありません。
見た目は、バッジ以外はゴルフeTSIと同じですが、グレードと装備の関係が少々違っています。
同一車線内全車速運転支援システムの“Travel Assist”やデジタルメータークラスターの“Digital Cockpit Pro”といった新型ゴルフならではの先進装備が、TDIではエントリーグレードの「Active Basic」から標準装備とされました。
また、ゴルフeTSIの下位グレードではオプション設定だった、走行モードの切り替えが可能なドライビングプロファイルやシートヒーターなどの快適装備も、ゴルフTDIでは全車標準装備となります。さらにゴルフTDIには、LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”やヘッドアップディスプレイ、純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”といった、通常はオプション設定の装備を標準設定とした「Active Advance」というグレードが新たに設定されています。
その上位グレードとして、上質なトリムや電動パノラマスライディングルーフなどのオプションが選択可能な「Style」や、エクステリアをスポーティな仕様にした「R-Line」が設定されているのは同じですが、今回のTDIの追加を機に、要望の多かった18インチアルミホイールが、R-Line用のオプションとしてゴルフeTSIも含め選べるようになったのも注目すべきニュースです。
走りに関する部分でも、ゴルフeTSIの1リッター車ではトレーリングアームだったリアサスペンション形式が全車4リンク式となり、これにあわせて燃料タンク容量も全車51リットルとなります。車両重量は、ゴルフeTSIの1リッター車に対して150kg、同1.5リッター車に対して100kg重い1460kgとなります。
150psと360Nmを発生する最新世代の2.0TDIエンジンには、最新のテクノロジーとなる、ツインドージングと呼ぶデュアルAdBlue噴射システムの採用が特徴です。
これはふたつに分けて直列に配置したSCR触媒コンバーターから「AdBlue(尿素水)」を注入することで、窒素酸化物(NOx)の排出量を大幅に削減できるというものです。
さらに、最新の排気浄化システムの採用に加え、各種の最適化を図ったことで、窒素酸化物の排出量が先代と比較して最大で80%も削減されます。あわせて、従来のTDIエンジンよりも低い回転域から最大トルクと最高出力を発生できるようになり、レスポンスの大幅な向上を実現するとしています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。