なぜスピードメーターは実際より速い速度を表示? 車検で“速度の誤差”が許される訳とは
クルマを運転しているときに確認するスピードメーター。実際の走行速度よりも速い速度が表示されているといいますが、それはなぜなのでしょうか。
最近のスピードメーターは故障しづらい!?
クルマを運転するときに走行状態を把握するための装備のひとつとして、「スピードメーター」があります。
スピードメーターには厳密な基準があり、JIS(日本工業規格)で「自動車用スピードメーター」(D5601-1992)として細かい規定が定められています。
クルマを走らせるうえで走行状態をしっかり把握するために必要な装備ですが、故障してしまうという事態も起こり得ます。
スピードメーターのトラブルにはどのようなことがあるのでしょうか。栃木県の整備工場に勤務するT氏に聞いてみました。
「昔の機械式のスピードメーターではよくトラブルがありましたが、最近はめっきり不具合が減りました。
電気式や電子式が主流になったことで、メーターの改ざん、いわゆる巻き戻しみたいなのもすっかり見かけなくなりました。
弊社で扱った車両でも、スピードメーターが原因で車検に通らなかったケースはありません」
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スピードメーターの表示方式には「アナログ」と「デジタル」が存在しますが、作動方式では「機械式」「電気式」「電子式」の3種類に分類されます。
「機械式」は、トランスミッションからギアを経由して回転するフレキシブルシャフトの回転数を計測する古い方式で、現在のクルマではほぼ見かません。いわゆる旧車に多いタイプです。
現在の主流となっているのが「電気式」です。トランスミッションに装着された車速センサーや車輪の回転センサーからの信号が車載コンピューターに送られ、メーターの針を動かす方式です。
そして「電子式」も車速センサーと車輪回転センサーからの信号をコンピューターに送りますが、電気的に演算してデジタルで表示します。
新時代の指示方式として1980年代から採用されはじめたセグメント式のデジタルメーターですが、現在ではほとんど採用されていません。
最近のクルマは液晶パネルがされ、「電子式」でありながらアナログメーターをビジュアル化した映像で表示することが多くなっています。
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