ブレーキから「ゴリゴリ」異音はかなりヤバい!? クルマが止まるのに必要な「ブレーキパッド」交換すべき症状とは
交換時期が分かりづらい! どんな状態になったらNG?
では、ブレーキパッドが減ってくるとどんな症状が出るのでしょうか。また減っているわけでもなさそうなのにキーキー音がするのも、ブレーキに何らかのトラブルがあるのでしょうか。
都内の整備工場に勤務するH整備士に聞いてみました。

「ブレーキを踏み込んでスキール音(キーキーといった金属音)を立てる、いわゆるブレーキ鳴りがしてもあまり心配することはありません。とくに欧州車などは国産車とはブレーキに対する考え方の違いで、音が鳴っても止まれればいいという感じで作られています。
ブレーキキャリパーに付いているスライドピンという可動部品が上手に作動しないと同じように鳴くこともあります」
またローターは非常に錆びやすく、数日走らないだけでうっすらとサビが発生するそうですが、走りはじめはサビの影響で音が発生することもあるそうです。ただこれも10分も走ればとれてしまう程度のサビなので心配はいらないのだとか。
ただし、走行中にブレーキを踏んでいないにも関わらずスキール音がする場合は、摩耗限界を知らせるセンサーがブレーキローターに当たって発生している可能性があり、なるべく早く整備工場や販売店に相談するのが良いです。
そして、もっとも深刻な異音は「ゴリゴリ」と鉄の塊がこすれるような音なのだといいます。
「ブレーキを使用するとゴリゴリした音がする、または踏んで違和感がある場合は、パッドが極端に減っている、またはすでにパッドがなくなってバックプレートがローターに干渉している可能性が高いです。そのまま放置しておくとローターが破損してしまいます。
また、ブレーキキャリパーにも何らかのダメージが入ってしまいますので、できるだけ早めに販売店やディーラー、整備工場などで診てもらうか、パッドを交換してもらってください」
ブレーキパッドはブレーキローターを左右2枚で挟む形状で設置されています。左右2枚のパッドが必ずしも均一に摩耗するわけではなく、たとえば外側のパッドはすり減っていても内側の残量は残っているケースもあります。
減っているパッドのみの交換で問題ないそうですが、それだけ一方のブレーキが効き過ぎている(いわゆる片効き)ので、そのあたりも交換ついでに調整してもらうのが良いでしょう。
気になる予算ですが、一般的な普通車であればブレーキパッド単体(フロントブレーキ)であれば1万円から2万円(別途工賃が必要)、作業時間は2時間程度です。
そういった異音や変な振動などがない場合は、法定点検か車検時にブレーキパッドの残量をチェックする程度でも大丈夫ですが、できれば5万km以内には交換しておいたほうが未然にトラブルを防ぐことができるので安心だとH整備士はアドバイスします。
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ブレーキパッド自体は数千km程度では使えなくなることはほとんどありませんが、年式が古くなるにつれ、残量だけでなくキャリパーの動きやブレーキフルードなども含めたメンテは重要になってきます。
とくにこれからの季節は道路の凍結なども起こりやすくなりますので「最近ブレーキの効きが悪いな」と感じているようでしたら、まずはプロに見てもらってはいかがでしょうか。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。















